地域コミュニティの要となる町内会です。しかし、高齢化に伴い町内会への加入率は年々減少しています。こうした中、仙台市太白区のある地区では30代から40代の現役世代が町内会を盛り上げています。
東北大学の教授、もう一つの顔とは
ダイヤモンドといった鉱物を研究する東北大学の大藤弘明教授(48)です。この日は、学生と研究結果について議論していました。
16年間勤めた愛媛大学から東北大学に移ったのは2020年。
東北大学大学院理学研究科地学専攻 大藤弘明教授:
「専門は鉱物学と言いまして 鉱物の結晶化や濃集がどういうメカニズムで起こるかというのを主に研究しています」
そんな大藤さんには、もう一つの顔があります。
それは、町内会の「若手」役員
大藤弘明さん:
「11月17日の『松風公園開放デー』の準備について、今回、昨年度から4回目ですので、概要はみなさんご存じだと思います」
それが、町内会の役員。およそ1000世帯が住む仙台市太白区の八木山本町二丁目地区で体育文化部長を務めています。
八木山本町2丁目町内会体育文化部長 大藤弘明さん:
「私は体育文化部長で主に体育会関係・文化系のイベント。来週ある『集会所開放デー』の企画や運営をしている」
別の役員に誘われたことがきっかけで役員を務めはじめた大藤さん。48歳ですが高齢化が進む町内会ではまだまだ若手です。
1960年代に造成が始まった仙台市の八木山地区。半世紀が過ぎ、高齢化が課題となっていましたが、ここ最近は、若い世代が家を買い求めるなどして移り住んできています。
若手が参加しやすい町内会とは…
大藤さんの町内会では、役員17人のおよそ半数を30代から40代が担っています。役員会の開催時間を見直すなど若手が参加しやすい態勢づくりを進めています。
八木山本町2丁目町内会体育文化部長 大藤弘明さん:
「役員会が終わってからも、休日を子どもと過ごせるよう(開催時間を)午前8時からに変更いただいて承認いただいた」
町内会イベント集会所開放デーも、大藤さんたち若手の発案で去年から始まりました。
八木山本町2丁目町内会 及川薫会長(82):
「我々の世代ではとてもじゃないけど発想がない。そういう意味では町内会の皆さんに若い現職世代が増えたというのは非常に喜ばしいこと。3年くらい前に比べたら劇的な変化ですね」
町内会は、災害時の助け合いや防犯の観点からも欠かせない存在ですが、加入率は減少傾向にあります。
深刻な町内会の担い手不足
仙台市によりますと、2024年の加入率は72.5%と10年前に比べおよそ10ポイント減少し、担い手不足が課題となっています。
仙台市地域政策課 市川正哉課長:
「従来、担い手として関わっていた60代70代の方々が、少しずつ町内会活動に関わる時間も減ってきている様に思う」
11月17日、イベント「松風公園開放デー」の当日です。
八木山本町2丁目町内会体育文化部長 大藤弘明さん:
「まず掃除から。8時から1時間、よろしくお願いします」
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