写真は中学受験を控え、正月休み返上で勉強に励んでいる小学生です。束の間の休憩で口にしたものは、おせちに入っているかまぼこ。住んでいる地域や家庭でも違うおせち料理ですが、あなたは作る派ですか?それとも購入派ですか?
(アーカイブマネジメント部 萩原喬子)

1961年(昭和36年)の大みそかの築地は…?

TBSのアーカイブに残されているおせち関連で一番古い映像は1961年12月31日の買い出し客で賑わう東京・築地魚市場。伊達巻やかまぼこなど、おせちの材料を買い求める客でごった返していました。

伊達巻は1箱約20本入って250円でした。(1961年12月31日放送 TBS「週刊テレビニュース」)

1967年(昭和42年)にはデパートが大混雑 早くもおせち料理の詰め合わせが登場

数の子やかまぼこなど食材が売られる一方で、おせち料理の詰め合わせも販売されていました。  
1セット800~2000円の価格で用意され、店員ははっぴに鉢巻き姿で大忙しの様子が映し出されていました。

1967年頃の大卒の初任給は約2万5000円。和食の詰合せは1500円でした。

“食の台所” 上野アメ横も年末には大混雑

東京を代表する商店街アメヤ横町(通称:アメ横)。1974年(昭和49年)の年末の映像がありました。食品を中心とした商品を格安で扱っているアメ横。特に年末年始の混雑は有名で、おせちの材料を求めて、どこを見ても人・人・人。

アメ横の年末の人出は定番のニュースとなり、毎年のように中継で放送されています。

正月返上!猛特訓の彼らの胃袋も支えた“おせち”

おせちは漢字で「御節」と書き、季節の節目を祝う特別な料理です。おせちの食材は五穀豊穣や子孫繁栄、無病息災などそれぞれ意味のあるものが詰められています。

黒豆は健康、カズノコは子孫繁栄、田作りは五穀豊穣、昆布巻は喜ぶ、かまぼこはめでたい・日の出などそれぞれに意味があります。

そんな縁起物のおせち、こんなところでも振る舞われていました。正月返上で猛勉強中の学習塾。 束の間のごはん休憩で登場したのが「おせち弁当」でした。

1976年(昭和51年)1月1日の映像。朝から保護者総出でおせち弁当を準備しました。

作る時代から買う時代へ さらに種類も細分化

1980年代以降になるとデパートのおせちは高級になり、また高級料亭もおせちを発売するようになりました。2000年代は和・洋・中やスイーツ、ペット用のおせちなど種類も増え、さらに価格も手頃なものから高級なものまで選べる時代になりました。

スイーツおせちは栗きんとんをイメージしたマンゴースイーツ、かまぼこをイメージした4色のロールケーキ、黒豆のように見えるココアアーモンドなどが入っています。

円安物価高の影響で年末年始は巣ごもり需要が増えるとみられています。
年々「お正月だからおせち」という習慣が薄れる昨今ですが、みなさんは来年のおせち、どうしますか? もう注文しましたか? それともまだこれから?

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