最近、バーもロック板もないカメラ式のパーキングが街中で増え始めていることをお気づきでしょうか。山陰でも島根県松江市を中心に、ここ数年でその数を伸ばしています。
ここで気になるのは「未払い」が多いのではないかということ。取材すると意外な実態が見えてきました。
取材班が訪れたのは、松江市内のとある商業施設。
土江諒 記者
「今から出口を出るんですが…あれ?バーがないですね。入り口にはバーがあるんですが、出口側にはバーがないです。このまま出ちゃっていいんでしょうか」
なんと駐車場の出口には…バーがありません!
これは、東京都の会社が開発・運営するその名も「スマートパーク」。
入庫時にカメラが車のナンバープレートを記録。
帰る時に、専用の機械で車両ナンバー4桁を入力して事前精算を行うというもので、従来の出口のバーもロック板も、そして駐車券もないというわけです。
この商業施設ではおととし7月に導入されました。
イオン松江ショッピングセンター 森田健太郎 ゼネラルマネージャー
「導入してからは、事前に精算していただけるのでスムーズな出庫ができるようになったので、駐車場内での渋滞はなくなっている。お買い物を終わってすぐ出られるっていう部分は、やはり売上げにはつながると思います」
「スマートパーク」は渋滞回避によるスムーズな出庫を実現したほか、左ハンドルの車を運転する人が1回運転席から降りて精算することもなくなりました。
イオン松江ショッピングセンター 森田健太郎 ゼネラルマネージャー
「2年前に導入した際は、やはりお客様からは使い勝手が分からないという部分で非常に申し出あったと聞いているが最近はある程度認知されてきている」
8年前にスタートしたこのサービス。
現在では全国の商業施設や公共施設など600カ所以上に設置されていて、市内だと島根県民会館にも導入されています。
JR松江駅近くの駐車場に至っては他社製ではありますが、入口のバーすらないタイプで、こうしたカメラ式のパーキングは山陰では松江市内を中心にいっぱいあるんです。
実際に、常連客はその使い勝手について…
常連客(松江市在住)
「初めはえっ!と思いましたけど、今は慣れました。つい駐車券車の中にぽっと(置いてきてしまうが)、今は必要ないので、今はすごくいい」
Q.最初戸惑いなかった?
「いや別になかったですけどね」
Q.僕1回やってしまったんですけど払い忘れたことは?
「ないですね。それはない」
「スマートパーク」を開発運営する「ピットデザイン」の池末社長は
ピットデザイン 池末浩規 社長
「比較的高齢の方が多いとか、他にたくさんなくて慣れていないという意味では、本来であればかなり条件が悪いところなんですが、イオン松江の場合は未払い率、最初に出るときに払わなかったという方が実は0.01%くらい。全国的に見てもかなり低いです。非常になじんでご利用いただいている」
池末社長はこの理由について、導入実績が少ないため明確な理由は不明としながらも、「松江はゆったりとして文化的な気風があり、心に余裕のある人が多い」
また、「よく保守的だと言われているが、その真面目さも低い未払い率につながっていて、実は新しいものに対してオープンなところもあるのではないか」と、独自に分析しています。
もちろん悪質な利用者にはしかるべき対応が取られますが、うっかり精算を忘れてしまっても、同じスマートパークで次回の利用時に支払い可能ということで、未払い率はバー式、ロック板式と比べても低いんだそうです。
ピットデザイン 池末浩規 社長
「空港ですとか、駅とか、そういう所も結構入っているので、(山陰でも)そのあたりもしかすると将来的にあるのかなと思います」
ピットデザインでは今後、さらにシステムの精度を高め、鳥取県進出も目指すとしています。
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