12月になって餅つきの話題を聞くようになりました。

山口県山陽小野田市北部の農産加工グループがある特徴を持った餅を売り出しました。

その特徴とは「かたくならない」こと。

高齢化が進む地域を盛り上げようという取り組みの一環ですが、そこには、平安時代の武将も登場するなど、いろんな人を巻きこんだプロジェクトに発展しました。

早朝から餅を作るのは山陽小野田市北部、川上地区の農産加工グループ「ゆめ農房川上」のメンバーです。

ゆめ農房川上メンバー
「おいしいってみんなに思ってもらえるように愛情込めて作ってます」

この餅にはある特徴が。

つきたてのやわらかさが通常の餅の倍以上の時間長持ちするというんです。

配合に工夫があるそうですが詳しいことは”企業秘密”で、試行錯誤しながら半年ほどをかけて開発しました。

「貞任餅」と名付けられました。

「貞任餅」の前には、収穫祭開始前から多くの人が…

この日開催される農産物直売所「ゆめ市場川上」の収穫祭で販売が開始されます。準備が急ピッチで進められていました。

ゆめ農房川上 山本美和代表
「普通のおもちは、2日目になると固いじゃないですか。あれとは全く違う感じで、あんこ餅がおいしくいただけるという感じで、それは自信があります」

収穫祭開始前から多くの人が「貞任餅」の前に並んでいました。

開始の合図とともに、地元の野菜が勢いよく売れていきます。

「貞任餅」も、負けないくらいの人気です。

購入した人
「義理の姉のところに持って行こうと思って、焼き芋と一緒に。黒蜜かけて食べようかなと思います」

餅作りの仕掛け人が得た「かたくならない餅」のヒントとは?

餅作りの仕掛け人は、地域おこし協力隊の林茂夫さん。

川上地区を有名にすることを目標に掲げ、1年半ほど前から活動しています。

着任したころから「ゆめ農房川上」のメイン商品だった「餅」に注目していました。どんな餅が人気なのか、いろんなスーパーに通って調べたといいます。

そのなかで、夕方になると多くの人が餅のかたさを確認しているのに気がつきました。それが、「かたくならない餅」のヒントになりました。

方法を調べたところ、岩手県の「大林製菓」が餅のやわらかい食感を維持する技術で、特許を持っていることを知りました。

地域おこし協力隊 林茂夫さん
「御社のおもちの特許をライセンスしてもらえませんか?っていう交渉から始めた」

山陽小野田市 川上地区と岩手県に古い縁…?

山口県山陽小野田市の川上地区と岩手県。

偶然にも思える出会いには、実は古い縁がありました。その縁とは・・・

平安時代に岩手県で活躍した武将。その名は「安倍貞任」

源頼義らの侵略から地元を守ろうとした安倍貞任は、岩手県では英雄とされています。

「安倍貞任」は、川上地区にもゆかりがありました。

その経緯は分かりませんが、川上地区には安倍貞任のものとされる墓があるのです。「貞任」はこの地区の地名にもなっています。

地域おこし協力隊 林茂夫さん
「安倍貞任について山口県民あまり知らないので、一緒に貞任さんを有名にするようなプロモーションしませんかという話をして、そのシンボルとして餅を作りたいんですと」

パッケージに描かれたキャラクターももちろん安倍貞任がモチーフ。

おもちを食べたらかわいく変身します。デザインは、山陽小野田市のPRキャラクターも手がけたイラストレーター種田和宏さんが担当しました。

山口東京理科大学の学生は、貞任餅を広めるヒントを得ようとアンケート調査を実施。結果をもとに、貞任餅をつかったスイーツ作りに挑戦するということです。

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