2023年4月に当時54歳の父親を殺害した罪などに問われている次男と長男の妻の裁判員裁判。11月8日は、長男の妻の実姉に対する証人尋問が行われた。被告らのグループの一員だった実姉の口からは、父親殺害までの長く、恐ろしい経緯が語られた。当初、次男が殺そうとしていたのは父親ではなく母親だったのだ。グループ内での衝撃的な会話の内容と共にその経緯を追っていく。

美人局に加担、敦子被告の姉は有罪判決受ける

起訴状などによると、村上直哉被告(25)と村上敦子被告(48)は、2023年4月17日未明、柴田町西船迫1丁目の住宅の玄関で村上隆一さん(当時54歳)を刺身包丁で刺して殺害したうえ、敦子被告の元夫らに依頼し、刺身包丁などを処分させた罪などに問われている。直哉被告は殺害された隆一さんの次男、敦子被告は隆一さんの長男の妻だ。

今回証人尋問に出廷した敦子被告の実姉は、美人局を行う被告らのグループの一員で、2023年12月に詐欺と詐欺未遂の罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた。人間関係が複雑なため、相関図を確認してほしい。

実姉が語る「グループの実態」とは?

敦子被告の実姉がまず語ったのはグループの実態、そして売春を強制されていた「直哉被告の実母」についてだった。

直哉被告の母と殺害された父・隆一さんは、直哉被告が小学生の頃に離婚していたる。

検察:
「直哉被告の実母はどのくらい前から売春していたのか」

実姉:
「2008年頃と聞いた」

検察:
「きっかけは」

実姉:
「敦子が、敦子の母の医療費を直哉の実母に請求したことがきっかけ。『直哉の実母の言動が母のストレスになった』などと言ったらしい。当時敦子と付き合っていた男性が、『金を稼ぐには売春が手っ取り早い』と言ったので、直哉の実母は売春を始めた」

検察:
「売春を手伝っていたあなたの役割は」

実姉:
「2010年頃から直哉の実母に代わり、出会い系サイトで売春の相手を探していた。自分にも小さい子供がいて生活に困窮していた」

検察:
「実母の稼ぎのノルマは誰が決めていたのか」

実姉:
「敦子と自分が話し合って決めていた。ただ、ほとんどは敦子が『このくらいの金額で』と決めていた」

検察:
「実母がノルマを達成できないときは」

実姉:
「実母はその場にいる人から暴行を受けたり、罵詈雑言を浴びせられたりする。私をはじめ敦子、直哉、隆一さんの長男、元夫など」

検察:
「あなたも暴行に加わったのか」

実姉:
「『自分が一生懸命売春相手を探しているのに、なぜノルマを達成できないのか』という思いがあった。土下座している実母に馬乗りになり前歯を折ったことがある」

検察:
「実母の取り分は」

実姉:
「1000円とか、多くても2000円。実母が敦子に『このくらいほしい』と言うと、何に使うのか問いただされていた」

検察:
「売春の相手が遠方にいることもあると思うが」

実姉:
「そういうとき、実母は敦子や私に借金をして交通費などを賄っていた」

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