南アフリカ警察は3日、金鉱山などの廃坑を乗っ取って違法採掘をする「ザマザマ」と呼ばれる男ら565人を拘束したと発表した。ザマザマが横行する背景とは?
■廃坑を乗っ取る『幸運への挑戦者』
違法採掘摘発 この記事の写真 南アフリカ警察「違法な採掘活動と操業への摘発作戦で、少なくとも565人の違法鉱山労働者の身柄を拘束した」
南アフリカ警察は3日、北東部にある金鉱の町・オークニーの廃坑で違法に採掘をしていた565人の身柄を拘束したと発表した。
出入り口封鎖地下に広がる坑道に潜む違法採掘者をあぶり出すため、出入り口を封鎖し、脱水症状や飢餓に耐え切れず地上に出てきたところを拘束したという。
ザマザマ拘束されたザマザマはズールー語で「幸運への挑戦者」を意味し、その多くが不法移民だという。
19世紀後半からダイヤモンドや金の採掘で成長してきた南アフリカ。しかし、1980年代以降、鉱業は衰退し、採掘量はピーク時の5分の1程度にまで減少。廃坑が増えているという。
ザマザマはこうした廃坑を乗っ取り、ダイヤモンドや金を漁っているという。一体、どんな人たちなのか。
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■違法採掘に手を染めた人々の事情■違法採掘に手を染めた人々の事情
コロンビア大学ロザリンド・モリス教授廃坑で危険に身をさらしながら生計を立てる男たちと、その家族や友人の日常生活を描いたドキュメンタリー映画「We are Zama Zama」。この映画の監督も務めたアメリカ・コロンビア大学で人類学を研究するロザリンド・モリス教授に話を聞いた。
「お金を得る方法がない人たち」 モリス教授「南アフリカや近隣の様々な国の人がいますが、共通しているのはみんな金銭的にひっ迫していて、お金を得る方法がない人たちです」
男たちが地下で採掘作業をする一方、地上では女たちが素手で岩を細かく砕き、金を取り出す作業をしている。
モリス教授「人のものを盗むわけではないので、彼らは違法採掘を唯一のまともな働き口だと思っています」
いつ崩落するか分からない廃坑に、時には長期間潜りっぱなしで採掘を続けるという。なぜ彼らは命の危険まで冒すのか。
モリス教授「南アフリカの失業率は35%ととても高く、近隣では70%の国もあります。特に若者の仕事がありません」 ギャングとの関係
映画では、違法採掘に手を染めざるを得なかった人たちの事情も描かれている。
モリス教授「大規模なグループになるとギャングが介在し、高度に組織化しているところもあります。彼らは大きなリスクを背負ってここに来ています。ギャングが増えたせいで間違えられやすいが、彼らもギャングの被害者です」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年11月8日放送分より)
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