米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利を確実にしたことを受け、移民に対して厳しい姿勢を取るトランプ氏が大統領に就任する来年1月前に移民が国境に殺到するとの懸念の声が出ている。ロイター通信は5日、米国で大統領選が投開票された日に3000人以上の移民集団(キャラバン)がメキシコ南部を出発したと報じた。
グアテマラとの国境に近いメキシコ南部の街に集まった移民たちは「移民の血をこれ以上流すな」との横断幕を掲げ、米国を目指して北へ向かうという。
一方、保守系タブロイド紙ニューヨーク・ポストは6日、メキシコ側にいた100人以上の移民が南部テキサス州から不法越境したと写真付きで報じた。
米国では移民に寛容なイメージがあった民主党のバイデン政権下で移民が増加。メキシコとの国境地帯をビザ(査証)を持たずに不法越境し、拘束された人は3年連続で200万人を超えた。それでも治安の悪化や厳しい経済情勢などを背景に米国を目指す移民の流れにブレーキはかかっていない。
トランプ氏は「就任初日」に大統領令を出し、米史上最大の強制送還プログラムを実施すると主張するなど、厳しい移民政策を打ち出している。【ニューヨーク中村聡也】
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