アメリカ兵が持ち帰ったナチスの遺物、屋根裏から再び日の目を浴びる Entire-Ant6994-Reddit
<ナチスの遺物が屋根裏部屋から発見され、その真価を巡る議論がネットで広がっている>
アメリカで住宅の屋根裏部屋からナチス・ドイツの遺物が発見され、この家の新しい持ち主を驚かせている。
【画像】屋根裏部屋で発見されたナチス遺物...その真価は?
Redditに「Entire-Ant6994」のアカウントを作成したユーザーの唯一の目的は、この遺物の由来や、価値があるかどうかを探ることだった。
複数のサブレディットで共有された写真には、ナチスの紋章が入った赤いフォルダーが写っている。
匿名で本誌の取材に応じた発見者は、「このフォルダーは私が新しく購入した住宅の屋根裏部屋で見つけた。第2次世界大戦の兵士が、自分のために取っておいてもらおうと、私の新しい家に昔住んでいた自分の母親にこれを郵送した」と説明する。
裏側には「第19兵器大隊から記念品として贈られた」と記されていた。第19兵器大隊は当時ドイツに駐留していたアメリカ陸軍の部隊で、記念品はドイツで1945年6月10日に開かれた夕食会の招待客に配られた。第2次世界大戦でドイツが降伏した1カ月後のことだった。
フォルダーには位の高いアメリカ軍将校を含む出席者名簿や夕食会のメニューが入っていた。本誌はこれについて米軍にコメントを求めている。
発見者によると、屋根裏部屋からは第2次世界大戦当時の紙幣や硬貨なども見つかった。
Redditでは多数のコメントが寄せられたものの、フォルダーに関しては「何の情報も見つからなかった」という。ただ、意外な発見に対する反響は大きかった。
Found this in my attic, does anyone know what it was for or why it would be given to a US soldier?
byu/Entire-Ant6994 inHelpMeFind
発見者は価値判定のサブレディットに写真を投稿して「屋根裏部屋から見つかったナチスのフォルダー。1945年にこれを受け取ったWW2アメリカ兵のもの」と書き添えている。
9月26日に掲載されたこの投稿は1200を超す賛成票を集めた。コメントは数百件に上り、発見者がこれを保管すべきか、売るべきか、博物館に寄贈すべきか、それともナチスの記念品は破棄すべきかなどをめぐって論議が交わされている。
「ナチス関連だから売るなと言う人たちは、アメリカ陸軍の歴史のユニークな一面でもあるという点を見落としている。あのメニューと招待客リストは本当に興味深いし状態もいい。この脈絡の中で、一方を他方から切り離すことはできない」
「これはアメリカの歴史の断片だ。アメリカ人が戦利品として持ち帰った。もし売りに出せばきっと、その理念も悪の第三帝国も支持しないアメリカ人収集家の手に渡るだろう」
そんなコメントに加えて、博物館にフォルダーを寄贈するよう促す声もあった。別のユーザーは「まるでこれが親ナチスみたいな反応をしている人が多いけれど、もしヨーロッパ戦勝記念日から2~3カ月後にミュンヘンにいたアメリカ陸軍なら、ナチスの敗北を祝っていたと考えられないかな」と書き込んでいる。
ネット上で論議が続く中、イギリスのホロコースト教育トラスト代表を務めるカレン・ポロックは「我々はこうした物品を記念品にも収集品にも分類せず、人類の歴史の暗黒の章を思い起こさせるものとして扱うだろう」と本誌にコメントした。
「教育者にとっては、ホロコーストとその原因、結果について理解を深める役に立つ。熟慮した見せ方をすれば、未来の世代が私たちの歴史の中の恐ろしい出来事から教訓を学ぶ役に立つ」(ポロック)
第2次世界大戦の西ヨーロッパ解放は、1944年6月のノルマンディー上陸作戦で始まる。アイゼンハワー図書館によると、この日、アメリカやイギリスなどの連合軍兵士約13万3000人が、海軍兵約19万5000人の乗り組む7000席の船と上陸艇で、ノルマンディーに上陸した。
ドイツは1945年5月に降伏した。フォルダーの夕食会が開かれたのはその1カ月後。戦争は日本が降伏した後の1945年9月に終結した。
発見者はRedditに投稿した理由について、「メモ書きに記されていた人々や、フォルダーのもともとの用途、これに関する全般的な歴史」など、裏に記されていなかった情報を期待していたと本誌に打ち明けた。
期待したような情報は集まらなかったが、フォルダーについては数百ドルの価値があるという意見も、何の価値もないという意見もある。
「もし大きなお金になるのなら、もちろん売ることを考える」と発見者は言い、フォルダーの価値をプロに鑑定してもらうつもりだと説明。もしもそれほど価値がないと分かれば、「歴史のクールな一面だと思うから、取っておくかもしれない」と話している。
(翻訳:鈴木聖子)
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