アメリカ政府は国務長官と国防長官の連名で、イスラエル政府にパレスチナ自治区ガザの人道状況の改善を強く求める書簡を送りました。
アメリカ国務省 ミラー報道官
「ガザ地区での人道支援に対する私たちの懸念を明確にするためです」
アメリカ国務省はガザでの人道支援について、「ピーク時から半分以下に減っている」と指摘しました。今回の書簡はブリンケン国務長官とオースティン国防長官の連名になっていて、内容についてアメリカメディアは、30日以内にイスラエルが対応しなければアメリカによる軍事支援に影響する可能性も示唆しているということです。
ガザでは、15日にもイスラエルの攻撃があり、40人が死亡しています。
一方、レバノンでも、イスラエル軍がイスラム教シーア派組織ヒズボラに対する攻勢を拡大しています。
UNHCR イムセイス中東部長
「人々は避難の呼びかけに耳を傾け、ほとんど何も持たずに逃げている」
国連難民高等弁務官事務所は15日、イスラエル軍の避難命令によって、レバノン全土の4分の1以上が影響を受けていると明らかにしました。
ヒズボラのナンバー2のカセム師は15日、テレビ演説で「解決策は攻撃をやめることだ」と述べており、イスラエルにガザやレバノンへの攻撃を停止するよう求めました。そのうえで、「停戦を望まないのであれば攻撃を続ける」と、今後もイスラエルへの攻撃を継続する姿勢を示しました。
こうしたなか、アメリカ国防総省は、イランの弾道ミサイル攻撃に対応するためのミサイル迎撃システム「THAAD」の部品と「THAAD」を運用するアメリカ軍の先遣隊が、イスラエルに到着したと発表しました。「THAAD」の運用開始時期については、「近い将来」との説明にとどめています。
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