国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は14日、パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエル軍が北部をほかの地域から完全に孤立させている可能性があると指摘した。北部には住民約40万人が取り残されているとみられているが、1日以降は食糧支援が入っておらず、人道危機のいっそうの深刻化が懸念されている。
OHCHRによると、ガザ北部ではイスラエル軍が8日連続で激しい攻撃を加えており、幹線道路の分岐点もブロックなどで封鎖した。この付近で避難者に発砲し、写真記者などが殺害されたとの情報もあるという。OHCHRは「中東全体で戦闘が激化する影で、イスラエル軍はガザ北部で民間人の生命や安全を完全に軽視して戦闘行為を行っている」と批判した。
一方、イスラエル軍は14日、北部ジャバリア難民キャンプでイスラム組織ハマスが部隊を再編していると指摘し、ハマスが住民の避難を妨害していると主張した。
ガザ地区では人口の96%が食糧不足に直面しており、5万人以上の子供が急性栄養失調で治療が必要とされる。【カイロ金子淳】
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