記者の質問に答える韓江氏=ソウルで2016年5月、AP

 韓国の作家、韓江(ハンガン)氏(53)のノーベル文学賞受賞が10日、決まった。

 大手紙・中央日報は韓氏が2014年に発表した「少年が来る」について、1980年の光州の民主化運動を題材に「個人の苦痛と内面を繊細に描いた作品」と評価した。

 韓氏は以前、韓国メディアのインタビューに対し「光州民主化運動が人生を変えた」と述べ、「光州で虐殺された人々の姿を撮ったアルバムを見たことが、私が人間に対する根源的な問いをするきっかけになった」と明かした。

 聯合ニュースは16年5月に、韓氏が「私は人間の善良さを切実に信じようとする人だ。人間の尊厳を固く信じ、人間を愛するため、美しさと暴力が共存する世界に苦痛と悲しみを感じている。作品を書くのは苦痛だが、その苦痛の中に答えを見つけることができると思う」と語ったことを伝えていた。【ソウル日下部元美】

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