10月9日、中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は、台湾の頼清徳総統(写真)が「邪悪な意図」で緊張を高めていると批判した。写真は6月、台北で撮影(2024年 ロイター/Ann Wang)
中国政府で台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は、台湾の頼清徳総統が「邪悪な意図」で緊張を高めていると批判した。
頼清徳総統は5日、中華人民共和国よりも台湾の方が歴史が長いため、中華人民共和国は台湾の人々の祖国にはなり得ないと述べた。
頼氏は中華人民共和国が10月1日に建国75周年を迎え、数日後には中華民国(台湾)が建国113周年を迎えることに言及した。
「年数という観点で言えば、中華人民共和国が中華民国の人々の『祖国』になることは絶対に不可能だ」とした上で、「中華人民共和国の75歳以上の人々にとっては、むしろ中華民国が祖国になるかもしれない」と述べた。
台湾事務弁公室は8日遅くに発表した声明で、頼氏が善悪を混同していると反論。頼氏は台湾海峡の両岸は別々の国であるという理論を主張し続けているとし、「頼清徳氏の台湾独立の誤りは、古いワインを新しい瓶に入れただけのもので、台湾独立に対する彼の頑固な姿勢と、敵意と対立をエスカレートさせようとする邪悪な意図を再び明らかにしている」と批判した。
一方、台湾で対中政策を所管する大陸委員会は、1949年以来中華人民共和国が台湾を統治したことがないというのは客観的な事実だと主張。「台湾事務弁公室の発言により、中国共産党は自らを中国の唯一の正当な政府とみなしており、中華民国の存続にいかなる余地も与えていないことが台湾の人々にはっきりと認識された」と指摘した。
頼氏は10日、台湾の建国記念日に相当する「双十節」に合わせて演説を行う予定。
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