8月28日、パレスチナ保健当局は、ヨルダン川西岸のジェニン、トゥルカルム、トゥバスでイスラエル軍の大規模な攻撃があり、少なくとも9人が死亡したと発表した。画像は28日、ジェニンで道路を走行するイスラエル軍車両。ソーシャルメディアに掲載された映像から。提供画像(2024年 ロイター/Social Media)

イスラエルは28日、ヨルダン川西岸に対する大規模な軍事作戦を実行した。イスラエル軍は民間人に対する「差し迫った脅威」があったとし、兵士数百人とヘリコプターやドローン(無人機)などを投入して作戦を実施。パレスチナ保健当局によると、少なくとも10人のパレスチナ人が死亡した。

今回のヨルダン川西岸での作戦はここ数カ月で最大級。パレスチナ保健当局によるとジェニン、トゥルカルム、トゥバスでイスラエル軍の大規模な攻撃があった。

イスラエル軍報道官は、過去1年間でトゥルカルムとジェニンから銃撃や爆発を伴う攻撃が150件以上発生したとし、今回の作戦はここ数カ月の過激派活動の急増を受けて実行したと説明。民間人に対する「差し迫った脅威」があったと見なし、攻撃の阻止を目的とした広範な戦略の一環として今回の作戦を実行したと述べた。

その上で「この地域におけるテロの脅威は新しいものではない。昨日始まったものでもなく、明日終わるわけでもない」と語った。

大規模作戦に先立ち、イスラエル軍はトゥルカルムで26日に殺害したパレスチナ人戦闘員5人の氏名を公表。2人はイスラム組織ハマス、3人はハマスと共闘するイスラム聖戦がそれぞれの戦闘員だったと確認した。

イスラエルによる大規模作戦実施に伴い、イスラム聖戦とパレスチナ解放機構(PLO)の主要勢力ファタハはそれぞれ声明を出し、ヨルダン川西岸地区の3つの地域でイスラエル軍の車両に対して爆弾攻撃をしていると明らかにいていた。

イスラエルがパレスチナ自治区ガザでハマスとの戦闘を続ける中、イラン支援下にあるレバノンの武装組織ヒズボラとの緊張も高まっており、今回のヨルダン川西岸での大規模作戦を受け、イスラエルが多方面で直面する複数の安全保障上の脅威が浮き彫りになった。



[ロイター]


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