プーチンとカディロフ(8月20日) Sputnik/Vyacheslav Prokofyev/Pool via REUTERS

<13年ぶりにチェチェンを訪問したプーチン。国民の目をウクライナの越境攻撃からそらすのが狙いとも言われるが、全く別の面で注目を集めてしまった>

このほどチェチェンを電撃訪問したロシアのウラジーミル・プーチン大統領だが、その際に撮影された映像に捉えられた姿が「変」だとして話題になっている。チェチェンのラムザン・カディロフ首長と並んでプーチンが兵士の訓練を見守る映像なのだが、防音のための「イヤーマフ」の付け方がおかしいとして、ネット上で揶揄されているのだ。

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プーチンは8月20日、チェチェン共和国を約13年ぶりに訪問。グロズヌイでカディロフと会談した。ロシア国営タス通信によると、プーチンは、ウクライナ戦争に参加するために訓練を受けている志願兵とも面会したという。

現地ではチェチェン兵による射撃訓練も視察したプーチンだが、その時の映像にはイヤーマフを上下逆さまに付けている様子が捉えられていた。この「イヤーマフを逆さまに装着するプーチン」の画像や動画が公開されると、ネットで大きな注目を集めた。

「みんな怖くて、プーチンにイヤーマフの付け方が間違っていると言えないのか」とあるX(旧Twitter)のユーザーは書いた。「私は11年間、狩猟クラブの職員を務め、銃器講座も教えていたが、こんな風にヘッドホンを付けている人は見たことがない。プーチンは認知症になったようだ」というコメントもある。

ウクライナ内務省元顧問のアントン・ゲラシチェンコは、「プーチン(最初は誰だかわからなかったが)は、なぜこのようにヘッドホンを付けたのか。カディロフのような髭が欲しかったからか?」と皮肉った。元英兵でウクライナ海軍に戦闘員として加わっていたショーン・ピナーは、「冗談だろう?」とコメントした。

チェチェン電撃訪問はロシア国民の目をそらすため?

「それでも彼を天才と呼ぶ人もいるだろう」「(プーチンは)髪型を乱したくないのだろう」という意見もある。

プーチンは、過去にもヘッドホンを逆さまに装着しているところを何度も撮影されており、2007年にシベリア南部のトゥバ共和国を訪問した時もそうだった。

米シンクタンクの戦争研究所は8月21日、ウクライナ紛争に関する最新の分析で、プーチンのチェチェン訪問は「ウクライナによる(ロシア西部)クルスク州への急襲から国民の注意をそらし、平常と安定を装うため」との見方を示した。

ウクライナは8月6日、クルスク州に越境攻撃し、数万人の住民が避難を余儀なくされた。ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は同19日、ウクライナ軍がロシア領1250平方キロと集落92カ所を掌握したと述べた。

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