金門砲戦の追悼式典で献花する台湾の頼清徳総統=台湾・金門島で23日、ロイター

 台湾の離島・金門島を巡る中国との砲撃戦「金門砲戦」から66年となる23日、戦没者追悼式典が現地であった。頼清徳総統は当時参戦した兵士や遺族との昼食会で「台湾は平和を愛する国家だ。大陸反攻をすることはないが、共産党の統治を受けるつもりもない。民主主義や自由、法治の生活を続けていく」と強調し、中国からの脅威に団結して対抗することを呼びかけた。

 1958年8月23日、福建省沖に浮かぶ金門島に対して、中国軍が海を挟んだ福建省側から砲撃を開始。実質的な戦闘が行われた44日間で47万発以上の砲弾が撃ち込まれた。台湾は米国の武器支援を受けて島を守り切ったが、軍民計数百人が犠牲になった。

 頼氏の金門島訪問は5月の総統就任後初めて。戦死した将兵が眠る共同墓地で行われた式典では、献花して犠牲者を悼んだ。

 頼氏はあいさつで、台湾政府が近年の軍事予算を増やし、将兵の待遇改善、より高性能の武器や装備の購入に取り組んでいると強調。「民主主義陣営と協力して、台湾海峡の平和とインド太平洋の安定・発展を守りたい」と訴えた。【台北・林哲平】

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