ガザ情勢をめぐるアメリカの対応で若者の“バイデン離れ”が嘆かれていた民主党。ハリス氏が民主党候補に決定した今、若者たちはどう受け止めているのでしょうか。

激戦州のひとつ、ジョージア州。先週、大雨にもかかわらず、多くの人が集まってきていました。民主党を支持する若者たちです。

民主党支持者
「バイデンが撤退して久しぶりに希望を持ったの。この選挙はあまりに重要だと思うから、なにかしたいと思って参加したわ」

この日は、ハリス氏の勝利のためにどのように有権者に働きかけるべきか“作戦”を話し合いました。グループを束ねるのはタイガーリリーさん(24)。実は、これまでの選挙戦を複雑な思いで見ていたといいます。

タイガーリリー・ハリントンさん
「イスラエルに対するバイデン政権の政策とパレスチナで起きているすべてのことに本当に懸念を抱いてきました。疑問に思わざるを得なかったんです」

アメリカ バイデン大統領(去年10月)
「アメリカがいる限りずっとともにある。決してひとりにさせない」

イスラエルへの連帯を表明し続けるバイデン政権。しかし、SNSで飛び交う映像はガザの人々の苦しみでした。

学生らを中心にバイデン政権への批判は広がり、前回2020年の大統領選の時と比べると、若い世代の支持率は大きく落ち込んだのです。

そこに登場したのが、新たな大統領候補となったハリス氏。

最新の世論調査では、若者からの強い支持が示されていますが、ガザ情勢をめぐってはハリス氏は明確なスタンスを打ち出してはいません。

ハリス副大統領
「バイデン大統領と私は、停戦協定を締結し、人質を帰国させるため毎日24時間態勢で働いています」

ただ、タイガーリリーさんは「それでもハリス氏に希望を見る」と話します。

タイガーリリー・ハリントンさん
「ハリス氏はバイデン政権の一員としてイスラエルを支持していました。それは心配ですが、一方で希望も見えてきました。ハリス氏はバイデン氏よりパレスチナに対して同情的な言葉を使っています」

若者の投票行動に詳しい専門家はハリス氏の勢いを認めながらも、「若者の支持を集めきれているとは言えない」と指摘します。

ケイ・カワシマ・ギンズバーグ教授
「若者はハリス氏は身近な存在で信頼できると受け止めています。しかし、いまだに30~40%の若者はトランプ氏を支持しているとの調査結果もあるのが現状です」

日本時間今夜から始まる民主党大会で、ハリス氏がガザ情勢についてどのように言及するのか。そして、若者の希望をつなぎとめられるのか。11月の投票日に向けた大きな焦点となります。

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