米大リーグ・ドジャースの入団記者会見に臨む大谷翔平選手(左)と元通訳の水原一平氏=西部カリフォルニア州ロサンゼルスで2023年12月14日、ロイター

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の銀行口座から違法賭博のブックメーカー(賭け屋)に不正に送金したとして訴追された元通訳の水原一平容疑者(39)が、大谷選手の同じ口座を使って約32万5000ドル(約4970万円)相当の野球カードを購入していたことが明らかになった。米国では、希少な野球カードは高額で取引されており、当局は後日転売する目的があったとみている。

 日本の国税庁にあたる米内国歳入庁(IRS)が西部カリフォルニア州の連邦裁判所に提出した文書によると、水原容疑者の車内から押収されたブリーフケースと箱から大リーグ・ヤンキースの往年の名選手ヨギ・ベラ(故人)や大谷選手を含む推定1000枚以上の野球カードが見つかった。

 大谷選手の口座を確認したところ、2024年1~3月にかけてオークションサイトのイーベイなどで約32万5000ドル分の取引があった。購入した野球カードは、「ジェイ・ミン」という偽名を使ってドジャースのクラブハウスに郵送させたという。

 大谷選手の口座の情報は、水原容疑者の電話番号とメールアドレスにひも付けるように変更されていた。水原容疑者は大谷選手と偽って銀行に電話をかけ、大谷選手の口座から違法な賭け屋の関連口座への送金を許可するように指示したとされる。21年11月から24年1月にかけて口座から不正に送金された額は、1600万ドル(約24億5000万円)以上にのぼるという。【ニューヨーク八田浩輔】

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