趙楽際全国人民代表大会(全人代)常務委員長=北京市の人民大会堂で2024年3月5日、岡崎英遠撮影

 中国共産党序列3位の趙楽際(ちょう・らくさい)・全国人民代表大会(全人代)常務委員長は11日、北朝鮮の首都平壌を訪問し、崔竜海(チェ・リョンヘ)・最高人民会議常任委員長と会談した。趙氏は会談で「中国は中朝の伝統的な友好協力関係をさらに高いレベルに押し上げたい」と表明。崔氏も「両国の友好関係は新たな時代に入った」と中朝の結束をアピールした。国営新華社通信が伝えた。

 中国共産党の最高指導部の訪朝は2019年6月の習近平国家主席以来で約5年ぶり。

 ロシアによるウクライナ侵攻以降、北朝鮮とロシアは急接近し、関係を強化している。中国としても最高指導部の一員である政治局常務委員を派遣することで、中朝関係を重視する姿勢を強く示した形だ。

 趙氏は中朝国交樹立75周年の記念行事の開幕式に出席するため13日まで滞在する予定で、金正恩・朝鮮労働党総書記と会談するかも注目される。

 また両政府は11日、外交・公用ビザの相互免除で合意した。中朝間の高官の往来は、コロナ禍で途絶えていたが、23年7月の朝鮮戦争休戦協定締結70年の記念式典で李鴻忠(り・こうちゅう)・全人代常務副委員長(共産党政治局員)が訪朝して再開。24年1月には中国の孫衛東外務次官が訪朝して崔善姫(チェ・ソニ)外相と会談したほか、3月には金成男(キム・ソンナム)・朝鮮労働党国際部長が訪中して中国共産党序列4位の王滬寧(おう・こねい)・人民政治協商会議主席と会談するなど、徐々に往来が回復している。今回のビザ免除措置で、高官の往来をさらに活発化させる狙いとみられる。【北京・岡崎英遠】

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