若者を主体とする米国の社会運動団体「サンライズ・ムーブメント」は12日、ジョー・バイデン大統領(81)に11月の米大統領選からの撤退を促した。ドナルド・トランプ前大統領(78)の復権は「気候に壊滅的で不可逆なダメージを与える」としており、バイデン氏が大統領として築き上げた気候変動政策を守るためにも、新しい候補者に「バトンを渡す」よう求めた。
サンライズ・ムーブメントは、2017年に若者が主導して発足した全米に広がる草の根団体。再生可能エネルギー100%の実現と、気候変動対策を通じた雇用創出などを目指す「グリーン・ニューディール」を要求している。2020年の大統領選では当初、急進左派のバーニー・サンダース上院議員を支持したが、本選ではボランティアを通じ、350万人の若い有権者にバイデン氏への投票を促したとされる。
アル・シャイニーアジェイ代表は同日発表した声明で、「私たちの民主主義と地球の未来のために、この11月にトランプを打ち負かさなければならない」と指摘。一方、バイデン氏が不明瞭な発言を繰り返した6月下旬の討論会を受け、「既に低かったバイデンへの熱意は下がり続けている」と記し、現時点ではバイデン氏が若者を動かして勝利するのは難しいとの見方を示した。
声明は「若者たちへ」とする最後の段落で、「この選挙に負ければ、私たちの残りの人生が変わってしまうかもしれない。私たちの世代と未来のために戦うには、民主党候補に投票しなければならない」と呼びかけた。
政権奪還を目指す共和党の事実上の公約となる政策綱領案では、「社会主義者のグリーン・ニューディールを終わらせ、米国のエネルギー生産に対する規制を撤廃」すると明記。化石燃料の石油と天然ガスの生産で世界1位を目指すとしている。【ニューヨーク八田浩輔】
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