アメリカ国旗の前で会見を行う2人の人物。
ここは地上から約400km上空を周回するISS・国際宇宙ステーションです。

宇宙飛行士 スニ・ウィリアムズさん:
浮遊しているのは気分が良いですし、宇宙で国際宇宙ステーションのチームと働くのは良い気分です。

無重力空間で器用に後ろ向き宙返りも披露するなど、リラックスした様子。
しかし実際には困ったことになっています。

2人は6月、アメリカ・フロリダ州から打ち上げられた新型宇宙船「スターライナー」に乗り、国際宇宙ステーションに到着しました。

滞在予定は約1週間。
しかし、1カ月以上がたった今も帰還できないでいるのです。

アメリカのボーイング社が開発した新型宇宙船「スターライナー」。

6月、試験飛行として初めて宇宙飛行士2人を乗せてISS・国際宇宙ステーションに到着しました。

宇宙飛行士 スニ・ウィリアムズさん:
スターライナーに乗って国際宇宙ステーションにいる。これ以上の幸せはありません。

当初は1週間ほど滞在して地球に帰還する予定でした。

ところが、「スターライナー」の装置の不具合が原因で、1カ月以上たった現在も国際宇宙ステーションから戻れずにいるのです。

宇宙飛行士 バッチ・ウィルモアさん:
これまで設計されたどんな宇宙船にも複数の問題は存在しました。

宇宙飛行士 スニ・ウィリアムズさん:
この宇宙船が私たちを問題なく帰還させてくれると確信しています。

今回のように急なトラブルによって滞在が長引くことで、宇宙ステーションに問題は生じないのでしょうか。

約3年前に滞在していた、宇宙飛行士の野口聡一さんは「ISS自体は非常に広い空間ですし、食べ物とか予備の物資もあるので、1週間の予定が1カ月になること自体はそれほど問題はないと思う」と話します。

また、地球帰還の遅れを招いている「スターライナー」の装置トラブルについては、「宇宙船としては問題ないんですけど、地球に戻るとき姿勢を一定に保つためのスラスターというエンジンが一部動かない状態。無事に帰れるかというのを確認している。念には念を入れて確認していると思う」と指摘します。

NASAによると、地球への帰還は早くても7月中旬以降になる見通しです。

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