香港で民主化を求める大規模な反政府デモが本格化してから5年。9日、香港の人たちが都内に集まり、抗議デモを行いました。主催者は「民主化への戦いはまだ終わっていない」として、香港の外で抗議デモを継続していく決意を改めて語りました。

記者
「東京・新宿です。香港の人たちが『香港に自由を』と訴え、抗議を行っています」

9日午後、日本に住む香港の人などおよそ100人が香港の民主化運動の象徴である黄色の傘をさし、新宿で抗議デモを行いました。

5年前のきょう、香港では刑事事件の容疑者を中国本土に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案に反対する市民デモが起き、主催者発表では、一時は人口の4人に1人にあたる200万人が参加したとされています。

しかし、その後、「国家安全維持法」などが施行され、香港の民主活動家らが相次ぎ逮捕されるなど、反政府的な言動への取り締まりが強化されました。

「今の香港では抗議ができない」「日本にいる自分たちが続けなければいけない」

きょうの抗議に参加した多くの人たちはこのように訴えました。

都内の抗議デモに参加 香港出身の学生
「幼少期から周りで天安門事件への追悼会や政府へのデモなど、みんながやってきたのを見てきましたが、2019年からそれらが不可能になってしまった。当たり前だったことが当たり前じゃなくなってきている」

参加者らは中国政府に対し、「国の安全を守る」という名目で香港市民の「自由」を妨害するのをやめてほしいなどと訴えました。

一方、主催者らは香港の人たちにとって「日本での活動がリスクになってきている」と話します。

都内での抗議を主催 ウィリアム・リーさん(30)
「日本では、活動はできるんですけど、その代償として『香港に戻らない』、あるいは『戻ったら逮捕される可能性がある』ということを負わざるを得ない。すごく不自由な状態になっている。私みたいに実名でやっている以上、香港に戻らないと決めてやってるのはいいですが、香港に戻る必要があるから活動に参加しない、それが大多数なんです」

抗議デモは1時間以上続き、参加者の多くが身元が特定されないようにサングラスやマスクなどを着用していました。香港の外で、「民主化への戦い」は続きます。

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