裁判所に到着した水原一平被告=米西部カリフォルニア州サンタアナで2024年6月4日、ロイター

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(29)の銀行口座から多額の金を不正送金したとして銀行詐欺の罪などに問われた元通訳の水原一平被告(39)が4日、西部カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に出廷し、罪を認めた。司法省によると、量刑は10月25日に言い渡される。

 水原被告は5月14日に訴追内容の認否に臨んだが、審理を担当した治安判事に法定刑が禁錮1年以上の「重罪」の有罪答弁を扱う権限がなかったため、形式的に無罪を主張した。この日は有罪答弁を扱う権限がある連邦判事が担当した。

 水原被告は違法なブックメーカー(賭け屋)への借金返済のため、大谷選手の口座から約1659万ドル(約25億7410万円)を賭け屋側に送金したとされる。野球カードの購入に充てた金など盗んだ総額は1697万ドル以上に上る。口座から得た金を税務申告しなかった罪にも問われている。水原被告は同日、この罪も認めた。

弁護人と一緒に歩く水原一平被告(右)=米西部カリフォルニア州サンタアナで2024年6月4日、ロイター

 刑期は合わせて最高で禁錮33年だが、すでに司法取引に応じており、減軽される見込みだ。

 水原被告は4月11日に訴追された。司法省は5月8日、司法取引が成立し、起訴に類似した手続きを取ったと発表していた。【ニューヨーク中村聡也】

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