6月2日、メキシコでロペスオブラドール大統領の任期満了に伴う大統領選が実施され、与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(写真)が地滑り的な勝利を収めた。写真は3日、メキシコ市で撮影(2024年 ロイター/Raquel Cunha)

2日投票のメキシコ大統領選挙は、与党・国家再生運動(MORENA)のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が勝利した。就任は10月1日でメキシコ初の女性大統領が誕生する。

選管当局の抽出速報集計によると、気候科学者でもあるシェインバウム氏は58.3─60.7%と、メキシコの民主主義史上最高の得票率となる勢いだ。

野党候補のソチル・ガルベス上院議員は26.6─28.6%の得票率にとどまり、敗北を認めた。

シェインバウム氏は支持者を前に「共和国200年で初の女性大統領になる」と勝利宣言。財政的責任を果たし、中央銀行の自主性を尊重すると表明した。またロペスオブラドール大統領を「メキシコをより良い方向に変えた、並外れたユニークな人物」と呼んで謝意を表した。

ロペスオブラドール大統領は貧困対策に取り組み、通貨ペソ上昇や低失業率を実現した。同氏の政策路線をシェインバウム氏は継承する方針だが、アナリストは財政赤字が膨らみ、成長が低迷する中では難しいとみている。ただ議会選では上下両院で与党とその連合会派が過半数を獲得する見込みで次期大統領の後ろ盾となりそうだ。

シェインバウム氏は治安改善を公約に掲げたが、具体策はほとんど示していない。アナリストからは、現政権中に組織犯罪グループが拡大し、影響力を強めたとの指摘が多い。

[ロイター]


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