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<攻撃を防ぐため金属製の「甲羅」で覆われたロシアの「亀戦車」だが、防御力が不十分であることを示す動画はほかにも>

ロシア軍の改造戦車がウクライナで地雷を踏んで吹き飛ばされる様子を捉えたものとされる新たな動画がインターネット上で公開された。動画には、金属製の「殻」で覆われた戦車が原野を進んでいく途中で連続して爆発が起こり、戦車の部品が吹き飛ばされる瞬間が映っている。爆発の後、一人の人物が慌てて戦車から逃げだす様子も確認できる。

■【動画】地雷を続けざまに踏んだロシア戦車、「連続爆発」で吹き飛ぶ瞬間...「亀の甲羅」も地雷には弱かった

ウクライナ国防省は5月21日、ロシア軍の「カメ戦車」が「一度に複数の地雷を踏んで吹き飛ばされた」とX(旧ツイッター)に投稿し、問題の短い動画はドローンと砲弾を専門に扱うウクライナ軍の「シャドー部隊」が撮影したと述べた。

ウクライナ政府はこの動画の撮影時期や場所については明らかにしておらず、動画の信ぴょう性に関する独立した検証を行うことは不可能だ。本誌はこの動画についてウクライナ軍とロシア国防省にメールでコメントを求めたが、これまでに返答はない。

ここ数週間ほどインターネット上に出回っている複数の動画からは、ロシアがウクライナ軍のFPV(一人称視点)自爆型ドローンから戦車を守るために、自軍の戦車を金属製の甲羅のような構造物で覆っている様子が見て取れる。この防御用のケージ(かご)を取りつけた車両は「カメ戦車」と呼ばれ、複数のオープンソース・アカウントで揶揄されている。

ウクライナの複数の前線にカメ戦車が出現

ロシア軍は以前から、戦車部隊に即席の装甲を施してウクライナ軍の攻撃から車両を守ろうとしてきた。ロシア軍のロケットランチャーにルーフスクリーンが取りつけられた例もある。

小型武器の専門家マシュー・モスが5月に入ってから本誌に語ったところによれば、カメ戦車はロシア軍が新たに攻勢をかけているハルキウ州北東部など、ウクライナの複数の前線に出現している。

モスはカメ戦車が今後さらに増え、また形式も統一されていくのかどうかについては「カメ戦車が今後どれだけ成果を上げ続けるか、そしてウクライナ軍がカメ戦車に慣れ始めてより効果的な攻撃法を見出すかどうかにかかっている」と述べた。

ウクライナの複数の情報源が過去数週間にインターネット上に投稿した動画には、ウクライナの戦場で破壊されたロシア軍の戦車と、防御用の金属製の殻の残骸が映っているとされている。

正確な砲撃でカメ戦車が破壊される瞬間の映像も

ウクライナ東部で作戦展開を行っているウクライナ軍第79独立空中強襲旅団は5月中旬、東部ドネツク州の村ノヴォミハイリフカ周辺でロシア軍の機甲部隊がウクライナ軍の拠点を攻撃している様子を捉えたとする短い動画を公開した。動画の中には、金属製の構造物で覆われた戦車が少なくとも1両あるのが確認できる。

同旅団はソーシャルメディアへの投稿の中で、「戦車に防御用の金属プレートを取りつけても、狙いを定めた攻撃から身を守るのには役に立たなかった」と述べ、砲撃によってロシアのカメ戦車などが破壊される瞬間も動画には収められていた。

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