米国のトーマスグリーンフィールド国連大使=2023年12月22日、八田浩輔撮影

 米国連代表部は8日、トーマスグリーンフィールド大使が今月14~20日に日本と韓国を訪問すると発表した。国連安全保障理事会が設置する対北朝鮮の制裁委員会の専門家パネルが月内に活動終了に追い込まれることを受け、対応を協議する。

 安保理では先月28日、北朝鮮の専門家パネルの任期を延長する決議案がロシアの拒否権によって否決された。北朝鮮はウクライナ侵攻を続けるロシアに武器を供与する見返りに、ロシアから制裁逃れの手助けを受けている構図となっている。4月末で任期を迎える専門家パネルの活動停止は、制裁監視体制に大きな打撃となり、日米韓は懸念を強めている。

 米国連代表部によると、トーマスグリーンフィールド氏は日韓でそれぞれ政府高官と会談する。北朝鮮の武器拡散と制裁逃れの活動を監視する「独立した正確な調査」を続けるための代替策などについて話し合うという。日本では北朝鮮の拉致被害者の家族と面会するほか、長崎を訪れて行政関係者や学生らとの交流を予定している。

 安保理では現在、日米韓がそろって理事国を務めている。米国連大使は米政権の閣僚級ポストに当たる。【ニューヨーク八田浩輔】

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