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<英国防省は、ロシア軍は今回の戦争で戦車3600両以上を失ったとし、ソ連時代の旧式兵器に頼らざるを得ない状況になっていると説明>

ロシアがウクライナ侵攻を開始して以来、ロシアの戦車や装甲車両はウクライナ軍のドローン攻撃などによって甚大な被害を受けてきた。破壊された車両の実際の数は、ロシアが正確なデータを公表しなければ分からない。だが、このたび英国防省が公開した写真を見る限り、稼働できる軍用車両が大幅に減少していることは確かなようだ。

■【写真】ロシア軍が保有する戦車、「劇的な減少」が改めて明らかに...「損失の規模」を示す写真を英国防省が公開

英国防省は12月17日、複数の基地においてロシア軍の車両が劇的に減少していることを示す写真を公開した。軍用車両の在庫が枯渇していることは、ロシアの軍事資源が消耗していることの表れであり、ウクライナでの長期的な攻撃作戦を維持できるのかという疑問を提起する。

2022年6月と2024年7月に撮影された、ロシアのアルセーニエフの基地の衛星写真を比較すると、装甲車両の列がなくなっていることがわかる。ブイの基地の写真も、2022年8月から2024年6月の間に装甲車両の数が著しく減少したことを示している。

ウランウデの戦車貯蔵基地を映した3組目の画像によると、2022年6月にあった大量の車両が、2024年10月にはごく一部しか残っていない。

英国防省の説明によれば、ロシアは2022年2月の侵攻開始以来、戦車3600両以上と装甲車両約8000台を失ったという。そのためロシア軍は、整備も不十分なソビエト時代の旧式の兵器に頼るようになっているとしている。

ロシア兵の死傷者は日に約1500人

ロシアは戦争を開始した際、ウクライナよりもはるかに多くの武器と軍隊を保有していたが、ウクライナは欧米から継続的な軍事支援を受けてきた。ロシアはソビエト時代の大量の装備を使用せざるを得なくなったが、それらも着実に枯渇していると報じられている。

ロシアの人的損失も膨大だ。ロイド・オースティン米国防長官は12月上旬、ロシアの死傷者は少なくとも累計で70万人に達しているとの見方を示した。さらに人的損失はこの数カ月で膨らんでおり、英国防省は11月にウクライナ軍の情報として、ロシア兵の死傷者は日に約1500人に上ると述べた。

月間の損失の増加が報告されたのは5カ月連続で、「ロシア軍の作戦と攻撃のスピードが高まっていることを反映している」と同省は説明している。

英国防省はXの投稿で「ウクライナにおけるロシア軍装備の損失は拡大し続けている」と指摘した。「それにより、戦略的貯蔵基地に置かれていた、旧式で整備も不十分なソビエト時代の装備への依存が増している。装甲車両は可能な限り機能が向上され、前線に送られている」

ロシアはウクライナに対する攻撃を緩める兆しを見せていないが、装備の枯渇と大規模な人員損失による課題が増している。

ロシア軍は、ウクライナ東部で続く作戦に加え、ウクライナが支配するロシア南西部クルスク州での攻撃も強化している。

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