米国防総省のライダー報道官は19日の記者会見で、シリアに過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討目的で駐留する米軍の要員数について、これまで説明してきた900人ではなく、実際は少なくとも数カ月前から計約2000人に増やしていたと明らかにした。ライダー氏は掃討作戦の中核を担っているのはあくまで「900人」だとし、増派された要員は「一時的」なものだと強調した。
ライダー氏は駐留人数は常時変化しているとした上で、「私も今日、2000人という数字を知った」と説明。「(8日の)アサド政権の崩壊以前から増えていた」と述べた。
シリアで米軍はクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)と連携しながら、IS掃討に当たってきた。一方、隣国トルコのエルドアン政権はSDFについて、トルコ国内の非合法武装組織とつながりがあるグループだとして敵視している。
アサド政権の崩壊を巡る混乱の中、トルコが支援するシリアの反体制派組織「シリア国民軍」(SNA)はSDFへの攻勢を強化。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、トルコ側はシリアとの国境沿いで態勢を増強しており、米政府はトルコ側がSDFの支配地域に大規模に侵攻することを懸念しているという。【ワシントン松井聡】
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