ロシアのプーチン大統領は19日、毎年恒例の大規模記者会見に臨み、「米国のトランプ次期大統領とはいつでも会う準備ができている」と述べ、米露首脳会談の実施に改めて前向きな姿勢を示した。米NBCの記者の質問に答えた。
プーチン氏は、トランプ氏とは4年以上話をしておらず、いつ会うことになるかは分からないとする一方で、「トランプ氏と会えば話し合うことがあると確信している」と述べた。トランプ氏はウクライナ情勢を巡り、ロシアに停戦に向けた交渉開始を呼びかけており、プーチン氏との会談にも意欲を示している。
会見では、ロシアに亡命したシリアのアサド前大統領についても言及。8日に家族とともにモスクワに到着したアサド氏とは「まだ会っていないが、会談する予定だ」と話した。
アサド政権の後ろ盾となってきたロシアは、シリア西部でタルトスの海軍基地に加え、フメイミムの空軍基地も使用してきた。暫定政府発足後は、露軍がシリア国内に駐留を続けられるかどうかが不透明になっており、駐留継続には暫定政府と「利害が一致する必要がある」と語った。
プーチン氏はまた、来年2月で丸3年となるウクライナでの「特別軍事作戦」を巡り、タス通信の記者から「勝利は近づいたか」と問われ、当初の目標を達成しつつあると強調。一方、「すべての北大西洋条約機構(NATO)諸国は事実上、我々と戦争状態にある」とも話し、ウクライナへの支援を続ける欧米を威嚇した。
1年を総括する大規模記者会見は恒例の国民対話と合わせて実施された。同時に行われるのは、昨年に続き今回で3回目。今年は約4時間半にわたって質問に答えた。ロシア通信によると、200万件以上の質問や要望が国民から寄せられたとされ、会見には非友好国も含めた国内外の記者数百人が登録されたという。【モスクワ山衛守剛】
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