薬物で妻の意識を失わせ、インターネットで募った男50人以上にレイプさせた事件で、フランス南部アビニョンの裁判所は19日、元夫のドミニク・ペリコ被告(72)に対し、求刑通り禁錮20年の判決を言い渡した。仏メディアなどが速報した。
仏紙ルモンドによると、ペリコ被告は50年連れ添ったジゼル・ペリコさん(72)に対し、10年間にわたって鎮静剤を投与し、意識を失っている間に何十人もの面識のない男にレイプさせたとされる。犯行の様子はビデオカメラで撮影され、約200件が記録されていたという。
事件は犯行の残虐性だけでなく、元妻のジゼルさんが匿名ではなく、実名と顔を出して公開裁判に臨んだことが、国内外で大きな関心を集めた。
ジゼルさんは法廷で「恥じるべきは彼ら(加害者)の方だ」と語り、多くの性被害者らに勇気を与えた。裁判中には、フランス全土でジゼルさんに連帯するデモが開かれた。
この日の判決では、映像などで特定でき、起訴された男ら50人全員にも、有罪が言い渡された。ただ、量刑は求刑よりはるかに軽く、執行猶予が付いた被告もいた。今回の事件を受け、フランス国内では性的同意に関する法改正を求める声が強まっている。
判決後、ペリコ被告の弁護士は、被告が「懲役刑の長さにかなり驚いている」と述べ、控訴する可能性を示した。【国本愛】
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