韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾訴追について審理する憲法裁判所は18日、尹氏側に対して、3日の戒厳令宣布の直前に開いた国務会議(閣議)の議事録など証拠資料の提出を求める書面を送ったと明らかにした。24日までの回答を要求している。ただ尹氏側は、憲法裁が16日に答弁書の提出を求めて郵送した文書について受け取りを拒否しており、今回の書面も拒否される可能性がある。
憲法裁は27日に第1回の弁論準備手続きを行う。判事による評議は非公開だが、弁論や最終的な決定の宣告などは公開される。憲法裁が弾劾訴追について妥当だと判断すれば尹氏は罷免され、大統領選となる。弾劾訴追が棄却されれば、尹氏は大統領職に復帰する。
尹氏は国会で弾劾訴追されて職務停止した後も身辺警護などの特権を維持し、ソウル市内の大統領官邸で生活している。18日は尹氏の64歳の誕生日。大手紙「朝鮮日報」によると、支持者らが祝いの花を官邸に届けたという。
また、高官犯罪捜査庁や警察などでつくる合同捜査本部は18日、捜査の重複を避けるため、内乱容疑での尹氏本人の捜査は同庁中心に進めると発表した。一方、戒厳令を巡る事件解明のカギを握る金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相や郭種根(カク・ジョングン)前陸軍特殊戦司令官ら軍幹部については、検察がすでに逮捕しており、引き続き捜査を進める。尹氏を巡る捜査は、最終的には政府から独立した特別検察官が担うことになる見通しだ。【ソウル福岡静哉】
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