日本人が中国を短期間に訪れる際のビザがおよそ4年8カ月ぶりに免除されました。滞在期間は30日以内で、来年の年末までの措置です。
■中国短期ビザ 免除を再開
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、2020年3月からビザの免除を停止していた中国。発表はサプライズでした。
中国外務省 林剣副報道局長
「日本の一般パスポートを所持する旅行者はビザなし入国が認められる」
ANN中国総局長 冨坂範明
「日中関係筋に話を聞きましたが、このタイミングでのノービザ解禁は予想外だという人がほとんどでした。考えられる理由は2つありまして、1つはトランプ政権が発足する前に日中関係を安定させたかった」
中国製品に対して最大60%の関税を出すと公約に掲げているトランプ次期大統領。中国としては、米中対立が激しくなるのを見据え、日本との関係を安定させたい思惑があるといいます。
さらに…。
ANN中国総局長 冨坂範明
「経済が冷え込むなかで日本からの投資を呼び込みたい思惑」
中国では不動産不況の長期化で景気が減速するなか、外国企業の投資意欲が低下。短期滞在ビザを免除することでビジネスマンや旅行客の往来を増やし、景気を押し上げる狙いがあるとみられます。
■往来活発に期待 懸念の声も
観光案内をしてくれたのは、日本人観光客を相手に20年ガイドをしている劉さんです。天壇は1420年、明の皇帝が建立したとされ、3層の丸い屋根が特徴的です。世界文化遺産にも登録され、北京のシンボルとなっていて、連日観光客でにぎわっています。
中国風の衣装に身を飾った人など多くの観光客がいますが、日本人の姿はほとんど見当たりません。
ガイド歴20年 劉恒江さん
「11月30日からNOビザで来られると聞いて、とてもうれしかったんです。絶対予約いっぱい入ると思ったんだけど全然来ていないです」
20日はまだビザ免除初日ですが、日本人観光客はコロナ禍前と比べ、10分の1ぐらいしかいないそうです。
ガイド歴20年 劉恒江さん
「これからビザなしで来られるからたくさん来ると思います。期待しています」
中国で働く日系のビジネス関係者からも期待する声が上がっています。
クボタ 渡辺信也さん
「日本からすぐ技術者がNOビザで来られるのは非常に大きな改善点。アフターサービスが非常に大きなメリット。そういったところがやっと戻ってくる」
ただ、実際の影響は限定的という声もあるといいます。
ANN中国総局長 冨坂範明
「反スパイ法などの懸案も残っていて、ビザ解禁がそのままビジネスの拡大につながるかはまだ不透明な情勢です」
今年に入り中国では子どもや歩行者など罪のない市民が犠牲になる無差別殺傷事件が相次いでいて、治安面での懸念も広がっています。
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