米司法省の庁舎=2024年2月14日、秋山信一撮影

 イスラエルの対イラン攻撃に関する機密情報が10月にインターネット上に流出した事件で、米連邦大陪審は連邦政府職員の男性をスパイ防止法違反罪で南部バージニア州の連邦地裁に起訴した。男性は12日に滞在先のカンボジアで拘束され、米領グアムに移送された。米メディアによると、男性は中央情報局(CIA)の海外部局の職員だという。

 起訴状や報道によると、職員は10月17日ごろ、米国の国防に関連する機密文書を意図的に保持し、流出させた疑いが持たれている。職員は最高機密へのアクセス権限を持っていた。動機や流出の経緯は明らかにされていない。

 流出したのは、偵察衛星が収集した映像を分析する国家地理空間情報局が10月中旬に作成した文書で、イスラエル軍による演習の詳細や弾薬の移動状況など、イラン攻撃に向けた準備の内容が記されていた。3段階ある機密区分で最上位にあたる「トップシークレット(最高機密)」に分類されており、文書の画像は匿名性の高いメッセージアプリ「テレグラム」を通じて拡散された。

 イランは10月1日、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの指導者やレバノンの親イラン組織ヒズボラの指導者の殺害に対する報復として、イスラエルを弾道ミサイルで攻撃した。イスラエルはイランへの報復攻撃を宣言。機密漏えい事件が起きた後の10月26日にイランの軍事施設を攻撃した。【ワシントン秋山信一】

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