トランプ次期米大統領の政権移行チームは、解任が必要と見なす米軍高官のリストを作成しており、統合参謀本部幹部も含まれる可能性があると、関係筋が明らかにした。写真は国防総省(ペンタゴン)の建物。2020年10月、バージニア州で撮影(2024年 ロイター/Carlos Barria)
トランプ次期米大統領の政権移行チームは、解任が必要と見なす米軍高官のリストを作成しており、統合参謀本部幹部も含まれる可能性があると、関係筋が明らかにした。実現すれば国防総省における前代未聞の人事刷新となる。
ただ、関係筋の一人は、軍高官を一斉に解任することの実現可能性に疑問を示した。トランプ氏が承認するかも不明。ただ、同氏は選挙戦で社会的不公正に対する意識が高い「ウォーク」な中将や大将のほか、2021年のアフガニスタンからの撤退の失敗に責任がある当局者を解任すると発言していた。
2人目の関係筋は、米軍制服組トップの統合参謀本部議長を務めたマーク・ミリー氏とつながりがある幹部の排除に力を入れる公算が大きいとした。著名ジャーナリストのボブ・ウッドワード氏の新著「戦争」によると、ミリー氏はトランプ氏を「根っからのファシスト」と呼んでいる。
同筋は「ミリー氏によって昇格し、任命された人は全員いなくなるだろう」」と述べた。ミリー氏と関連がある幹部の詳細なリストがあるという。
トランプ氏は12日、国防長官にFOXニュース・チャンネルの司会者で元陸軍州兵のピート・ヘグセス氏を指名すると表明した。ヘグセス氏は今年出した著書で、次期大統領が国防総省の幹部を劇的に刷新することで、国を守り、敵を打ち負かす準備を整える必要があると論じた。
ヘグセス氏はブラウン現統合参謀本部議長も非難し、同職に任命されたのは黒人なのが理由かと疑問を呈している。
前出の関係筋は「統合参謀本部のナンバー1とナンバー2は即座に解任されるだろう」と語った上で、計画がまだ初期段階にあることに注意を促した。
現・元米政府当局者の一部は、これほど大幅な人事刷新は不必要で、ウクライナと中東で戦争が起きている中でさらなる混乱をもたらすため、実現可能性は低いと指摘した。
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