NATOの軍事演習でポーランドの上空を飛ぶイタリア空軍のユーロファイター・タイフーン戦闘機(3月14日) Dominika Zarzycka / SOPA Images via Reuters Connect
<ロシアの空爆が激しくなるにつれ、ポーランドなどウクライナ周辺のNATO加盟国では、「ウクライナの次」になることを恐れる緊張感に満ちている>
ポーランド空軍をはじめとする北大西洋条約機構(NATO)加盟国の戦闘機が一時、起動して臨戦体制に入った。4月26日、ロシアがウクライナに大規模な空爆を行ったときだ。
ポーランド軍作戦司令部は4月26日夜、ポーランド軍の軍用機が作戦遂行中であると発表し、同国南東部では騒音レベルが上昇する可能性があると住民に対して警告した。
この発表は、ロシア軍がウクライナのドニプロペトロウシク州、イヴァーノ=フランキーウシク州、リヴィウ州に点在するエネルギー施設に対し、大規模なミサイル攻撃を行なった中でもたらされた。ウクライナ空軍は、ロシア軍が発射したミサイル24基のうち21基を破壊したと発表している。
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ポーランド軍はX(旧Twitter)への投稿でこう書いた。「ウクライナ領土内にある複数の目標に対して実行されたミサイル攻撃に関連してロシア連邦の活動が確認された」「我が国の領空の安全を確保するため、必要なすべての手段を実行する」
数時間後、続報を伝える投稿でポーランド軍は、ウクライナに対して再び行なわれた波状的な長距離攻撃を受けて、「ポーランドと同盟国の軍用機は臨戦体制にある」と述べた(ポーランド語からの翻訳による)。
侵犯があれば戦う
ポーランドは3月24日に、ウクライナ西部を狙ったロシアのミサイルがポーランド領空を39秒間侵犯した、と激しく抗議したばかりだ。
本誌からのコメント要請に対し、ポーランド国防省は、2つ目のXへの投稿に言及したうえで、「当軍の作戦司令部とは常時連絡」を取り合っていると付け加えた。「作戦司令部は任務を果たし、(ポーランドの)軍用機を臨戦体制に置いている。同盟国軍も同様の行動を行っている」
今回は領空侵犯のような一触即発の事件はなかったが、ポーランドはロシアがウクライナの次に狙うのは隣国のポーランドをはじめとするNATO加盟国だと神経を尖らせてきた。
プーチンは、核攻撃も辞さないと西側諸国を脅し、ポーランドやリトアニア、ラトビア(いずれもNATO加盟国)と隣接するベラルーシに核兵器を配備した。ポーランドのラドスワフ・シコルスキ外相は4月25日、ロシアとNATOの間で戦争が起きればロシアの「不可避的な敗北」に終わると発言した。
27日夜のミサイル攻撃では、ウクライナ最大の民間エネルギー企業DTEKが、同社の火力発電所のうち4基が深刻な被害を受けたと発表した。ただし、それらの施設がどこにあるのか、詳細な情報は提供しなかった。
ロシアは、ウクライナの重要インフラへの攻撃を強化しており、ウクライナ全土の火力発電所を破壊している。その中にはトリピーッリャ発電所も含まれている。この発電所は、首都キーウや、ジトーミル、チェルカースィといった地域への主要な電力供給源だ。
27日夜の攻撃の一部は、前線から数百キロ離れた場所で発生した。リヴィウ州では、ロシアの巡航および極超音速ミサイルが、ストルイおよびチェルヴォノフラド近くにある2つのエネルギー施設に命中した。同州のマクシム・コジツキー知事の情報だ。一方、イヴァーノ=フランキーウシク州の知事も、空爆でエネルギー施設1基が標的となったと述べた。
(翻訳:ガリレオ)
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