若年層を中心に市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)が広がるなか、約2割の店舗で、原則1人一つしか買えない「乱用のおそれのある医薬品」を、店員に質問されずに複数個購入できていたことが、厚生労働省の昨年度の調査でわかった。

 厚労省が6日、調査結果を公表した。調査員が昨年11月~今年3月、一般客として薬局やドラッグストアを訪問し、従業員の対応を調べた。

 厚労省は依存性のある特定の6成分を含む市販薬を「乱用のおそれのある医薬品」とし、販売を原則1人一つに制限している。調査員が、これらの薬を複数個購入しようとしたところ、調査した1256店のうち、19・1%(240店)で、質問をされずに購入できた。

 また、インターネット販売については、調査した140サイトのうち、17・9%(25サイト)で質問をされずに複数個購入できた。一方、カートに一つしか入れられないようになっているサイトもあったという。

 オーバードーズが広がっている現状を受け、厚労省の有識者検討会は今年1月、20歳未満に対しては大容量の製品や複数個の販売を禁じるほか、20歳以上に小容量を一つ売る場合を除き、対面または映像と音声でやりとりするオンライン販売に限定する案をとりまとめた。この案をもとに、専門家部会で制度改正に向けた議論が続いている。(藤谷和広)

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