奈良市七条町にある奈良県立奈良養護学校が、同市平松1丁目の県総合医療センター跡地に移転することが2日、発表された。肢体不自由の子どもに加え、新たに知的障害のある子どもも受け入れの対象とし、土地面積は約1・9ヘクタールから約3ヘクタールに拡大する見通しだ。

 この日あった県議会文教くらし委員会で明らかにされた。同校は築43年が経過して老朽化する一方、障害の重度・重複化傾向に対応したスペースの確保が急務となっていた。

 候補地として、2018年に移転した県総合医療センター跡地のほか、旧奈良高校、旧奈良工業高校の3カ所を比較し、現在の学校から最も近くにある医療センター跡地が、複数の条件に照らして最適と判断した。

 知的障害を対象とする奈良東・西の両養護学校で入学者の増加が続いてきたことから、移転先では肢体不自由の子ども140人に加え、知的障害のある子ども120人の受け入れを想定しているという。

 医療センター跡地は、看護大学校や市の子育て施設を整備する計画がある。養護学校の建設計画も加え、今年度中にレイアウトを策定する。

 開校時期について担当者は「目安はあるが、ある程度計画が定まってきたら明らかにする」としている。

 奈良市は現在の養護学校の所在地である七条町を、ごみ焼却施設(クリーンセンター)の新設候補地としていたが、同地区や周辺の住民が同校が近隣にあることなどを理由に、建設に反対してきた経緯がある。山下真知事と、仲川げん市長は昨年12月に共同会見を開き、同校を移転させる方針を発表していた。(机美鈴)

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