健康への影響が懸念されている有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)について学ぼうと、神戸市の市民グループ「PFAS汚染と健康を考える兵庫連絡会」が22日、同市内で学習会を開いた。米国でPFAS問題に取り組むパット・エルダーさん(69)らを講師に招き、市民約100人が国内外の汚染や規制の状況を学んだ。

 連絡会はPFASの情報を市民で共有しようと、昨年6月に発足。メンバー約10人が活動を続ける。エルダーさんは退役軍人らによる平和団体「ベテランズ・フォー・ピース」の市民メンバーで、米軍由来のPFAS汚染などに詳しい。

 エルダーさんは州ごとに進む規制の状況を説明。米軍施設由来の汚染が判明し、州が対応を求めたが、国家安全保障を理由に軍が対応しない事例などを紹介した。肥料や日用品に含まれるPFASを巡る訴訟も増えているとし、「PFASという化学物質は人間の存続を危うくするものだ」と語った。

 飲料水だけでなく、食品に含まれるPFASについて「非常に非常に大きな問題」と懸念を示し、「消費者として口にするものはとにかくテスト(検査)が必要だ」と指摘。公的な検査制度が必要だと訴えた。

 県内で独自にPFASの汚染状況を調査している丸尾牧・兵庫県議も講師を務めた。丸尾県議は高濃度のPFASが検出された神戸市の明石川流域の状況や、独自に実施した住民の血液検査の結果を紹介。「健康被害が出る可能性もあるので血液検査や健康診断、健康相談は必須の取り組みだ。国や県もしっかり支援する必要がある」と語った。

 連絡会では明石川流域の問題を踏まえ、汚染源の特定や撤去、食品を含めた汚染状況の調査、地域住民の血液検査などを求める陳情に向けて署名を集めており、近く神戸市議会に提出する。(大久保直樹)

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