障害者グループホーム(GH)運営大手の「恵」(本社・東京)が食材費の過大徴収など組織的な不正を繰り返していた問題で、名古屋市から事業者指定の取り消し処分を受けた「グループホームふわふわ」(同市緑区、定員28人)について、同社は介護サービス運営会社「ケアサポート」(同市中村区)に譲渡することを決めた。同市が15日発表した。

 ケアサポートは名古屋市内を中心に4カ所の住宅型有料老人ホームを運営するほか、通所介護サービスなども行っている。同市によると、従業員の雇用は引き継がれ、現在の入居者は従来通りのサービスを受けられるという。

 愛知県と同市は6月、恵が運営する県内5カ所のGHの事業者指定を取り消す処分を決定。厚生労働省は12都県にある約100のGHを順次運営できなくなる「連座制」を適用した。

 恵は当初、県や同市に対して全国すべてのGHを年内にも一括譲渡する意向を示していた。ただ、グループホームふわふわの指定期限は8月末で利用者が行き場を失う恐れがあり、恵は行政側の指導を受け、分割譲渡する方針に変更していた。

 同市は今月末までに、恵からケアサポートへの事業譲渡が円滑に進むよう、詰めの協議を進めている。(寺沢知海)

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