「50年に1度」ともいわれる規模で流行している性感染症の梅毒が、東京都内でも広がっている。1999年から調査を続ける患者報告数は、2023年は3701件に上り、3年連続で過去最多を更新した。今年も昨年とほぼ同じペースといい、都はSNSや繁華街などでの啓発に力を入れている。

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 性別に見ると、23年は男性2409人、女性1292人。20~50代と幅広い年代で感染が多い男性に対し、女性は特に20代の感染が多かった。妊娠中の感染で胎児が感染してしまう「先天梅毒」も昨年は過去最多の9件だった。

 厚生労働省によると、梅毒は性的接触を介して誰でも感染する可能性がある。無症状の場合もあるため、知らないうちに感染を広げることもある。また、一度治っても何度でも感染する。

匿名・無料で受けられる検査も

 都は、予防や早期発見のために正しい知識を持ってもらおうと、夏休みに若者が集まるイベントや繁華街で啓発動画を流したり、SNSで配信したりしている。29日には医療従事者向けのオンライン研修も行う。

 都内の保健所や都の検査室では、匿名・無料で検査も受けられる。詳細は、都保健医療局のホームページ(https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/seikansensho/inspection_consultation/index.html)で。(太田原奈都乃)

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