福島県は29日、東京電力福島第一原発事故で休止している県立大野病院(大熊町)について、後継の中核病院を県立医科大学の付属病院にする方向で、同大と協議する方針を決めた。今年度中にまとめる基本計画に付属病院化を盛り込む方針だ。

 この日開かれた県立病院改革推進部会で決まった。県は後継病院の経営形態について、大野病院と同じ地方公営企業方式▽県立医大の付属病院化▽新たに法人をつくって運営する地方独立行政法人▽民間事業者による指定管理者――の四つから検討してきた。

 このうち、医師の確保のしやすさや、休診が少なくなれば医業収入が安定すること、県立医大が原子力災害の拠点病院になっていることなどから、付属病院化を選んだ。

 昨年8月に公表した基本計画の素案によると、後継病院は大野病院の跡地につくり、内科(循環器など四つの専門科を含む)や外科、小児科など計20の診療科を設置すると想定。病床数は開院時は100床前後を見込み、将来は250床まで増やすという。

 開業は「2029年度以降」。前倒しを求める地元自治体の声に対し、県は「精査中」としている。(滝口信之)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。