国が今月発表した国と地方公共団体の一般行政職の給料(手当などを除いた額)水準を比較するラスパイレス指数で、埼玉県越谷市が令和5年で全国地方公共団体中1位となった。5年連続で全国10位以内で推移しているが、なぜ同市はラスパイレス指数が高いのか。手当なども含めた全体の給与ではどんな水準なのかを探った。

総務省によると、同市のラスパイレス指数は、全国の地方公共団体の中で元年が6位(102・8)、2年が7位(102・9)、3年が3位(103・4)、4年が2位(103・3)、5年が1位(103・3)だった。

地方公共団体の給料は議会の議決に基づく条例で規定されている。市総務部によると、指数が高くなった理由について、良質な市民サービスの提供のため能力の高い職員は学歴に関係なく上位の職員まで昇格できるようにしていることや、最近は若手の優秀な人材確保のため県内各自治体や国と比較して初任給を高く設定しているためとしている。

ラスパイレス指数は、地方公共団体の職員構成を、学歴別、経験年数別で区分して国の職員構成と同一と仮定して算出するため、同市のように学歴に関係なく能力の高い職員を昇格させると必然的に高い数値となってくる。

市人事課によると、手当を含めた同市の給与平均月額(5年4月1日時点)の県内順位は、さいたま市を除く62団体中で19位。1位は蕨市だった。全国との比較では、都道府県と政令市を除いた1721団体中の341位(同)だった。

県内の自治体で審議委員を務めたことにある男性は「首長が労働者を支持母体とする政党の支持が高い自治体は給与も給料も比較的高くなる傾向があります」という。

福田晃市長は25日の定例会見で「給与を日本一もらってるんだと勘違いされているケースがあるが、給与と給料は違うことを周知していき、引き続き良質な市民サービスを提供していきたい」とコメントした。(昌林龍一)

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