大幅に下落した日経平均株価を示すモニター=東京都中央区で2024年8月5日午後3時7分、猪飼健史撮影

 日経平均株価が5日、1987年の「ブラックマンデー」時を超える過去最大の下落幅を記録しました。歴史的な急落に驚いた個人の投資家も多いはず。このまま株式投資を続けて大丈夫? 株価はどうなるの? 激しい値動きの背景と見通しをまとめました。

 Q 8月に入って株価がものすごく下がったね。

 A 日経平均株価(にっけいへいきんかぶか)の終値(おわりね)は、2日に前日から2216円下がり、5日は前週末から4451円も下がりました。特に5日の下げ幅は過去最大です。これまで調子が良かった米国の経済が今後は悪くなるという見方が強まるなどして、株式の売り注文が殺到したのです。

 Q 同時に円高も進んでいたよね。

 A それも株安の一因です。7月末に日銀が追加の利上げを決めたのですが、米国は逆に金利を下げようとしています。そのため、それまで低金利の円を売り高金利のドルを買ってもうけていた人たちが、反対に円を買ってドルを売ったことで、急激に円高・ドル安が進みました。輸出で稼ぐ自動車メーカーなどは円高になると利益が目減りします。それで業績が悪くなるとみた投資家が、一斉に株式を売ったのです。

 Q 株への投資は続けて大丈夫なの?

 A 今年1月に新NISA(少額投資非課税制度(しょうがくとうしひかぜいせいど))がスタートし、投資を始めたばかりの人もいます。今回、株価の急落に動揺(どうよう)した個人の投資家が慌てて株式を手放した可能性も指摘されます。ただ、株価はもともと上がったり下がったりするもので、長い目で見ることも大切です。実際に企業の業績が悪化したわけではないので、その後は多くの銘柄(めいがら)が買い戻されています。6日の日経平均株価は一転して3217円上がり、過去最大の上げ幅を記録しました。

 Q これから株価はどうなるの?

 A 米国の景気や、為替(かわせ)相場(そうば)の値動き、中東情勢(ちゅうとうじょうせい)なども絡(から)むので予測するのは難しいですが、特に注目されているのは米経済の先行きです。市場では「11月の米大統領選後、日米の金融政策が見通せるまでは、不安定な動きになる可能性がある」(アナリスト)といった見方があります。回答・井口彩(経済部)

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