8月10日という日付と社名の語呂合わせから始まった異業種コラボが広がっている。8月10日が「ハット」と読めることから、車用品大手「イエローハット」とピザチェーンの「日本ピザハット」が5年前から始めた。そこに外食チェーン「リンガーハット」も加わり、コラボ商品や期間限定店舗などを展開。2024年はハットならぬ「ハトのマークの引越センター」まで仲間入りした。
始まりは、毎年8月10日を「ハットの日」としてキャンペーンを実施してきたイエローハット。2019年にツイッター(現X)上で「記念日制定」をピザハットに呼び掛けた。
イエローハットは「HAT(帽子)」つながりのつもりだったが、実はピザハットの「ハット」は「HUT(小屋)」だった。そうしたズレがあったため、結局、イエローハット単独での記念日制定になったものの、翌年にはタイヤとピザのリバーシブルデザインの帽子を企画し、コラボが実現した。
3年後の22年には、2社が声を掛ける形でリンガーハットが加わった。ちなみに、リンガーハットは長崎の貿易商だった英国人、リンガー氏の「HUT(小屋)」を意味するという。
3社は、首脳が集まってそれぞれの「ハット」の意味を確認する動画を作成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」でも公開。イエローハットとピザハットの店舗がある東京都八王子市の敷地にリンガーハットの移動販売車が1日限定で登場し、3社コラボが実現した。動画は23年も作成している。
今年は「ハト」にまで枠が広がった。PR事務局によると、8月10日は「ハト」とも読めるため、コラボの拡大を模索する3社が、ハトのマークの引越センターを展開する「全国引越専門協同組合連合会」に声を掛けたという。
今年の動画は、例年通り社名のハットの意味を各社首脳が説明すると、ハトのマークの引越センターのトップが登場。「8月10日は『ハトの日』でもありますから」と告げ、「ハット+ハト同盟」が結成されるという内容だ。
各社は8月10日を前にそれぞれキャンペーン価格での商品提供のほか、限定品や無料引換券が当たる企画などを実施している。
今後については未定だが、世間をハッとさせるようなコラボ企画が出てくるかもしれない。【植田憲尚】
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