今季の宇治茶止市に出品された茶の品質を確認する入札参加者=城陽市寺田のJA全農京都宇治茶流通センターで2024年7月31日午前9時12分、鈴木健太郎撮影

 2024年産宇治茶の「止市(とめいち)」が7月31日、京都府城陽市寺田のJA全農京都宇治茶流通センターであり、一番茶、二番茶の取引が終了した。今季の取引金額は4年連続増の46億792万円で、うち一番茶は40億3000万円。1974年の京都茶市場開設以来、一番茶の取引金額が初めて40億円を超えた。全体の取引量も前年より44トン増え1126トン。同JAでは「インバウンド(訪日外国人)や輸出の回復を背景に、抹茶の原料となるてん茶がけん引し取引が拡大した」としている。

 2024年は3月の寒さの影響で初市が前年より8日遅かったが、4月の気温が上がったことで茶の生育が早く進み、生産者は一番茶を多く出荷した。特に、インバウンドと輸出で需要の高い抹茶の原料・てん茶の取引が盛んで、入札販売会は前年を上回る34回を数えた。一方、出荷がてん茶に傾斜したことや、二番茶の減少などを受け、もみ茶の販売会は9回少ない26回にとどまった。

 一番茶の取引単価は微減の煎茶以外の全茶種で前年を上回り、全茶種平均で1キロ4597円(前年比16%増)、一方で二番茶はてん茶が前年を下回り、同2404円(同4・4%減)だった。

 この日は30業者50人が参加した入札の後、式典があり、同JAの宅間敏広本部長は「猛暑など気候条件も厳しかった中、生産者、茶商双方の努力で取引額、量とも伸びた。市場開設50周年の節目にふさわしい取引だった」と総括した。【鈴木健太郎】

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