ようやく決定した、札幌ドームのネーミングライツ。

 苦境が続く中で決まった念願の契約ですが、市は7月22日、当初計画していた5年間で黒字化は困難との見方を示しました。

 地下鉄東豊線・福住駅を降りたところにも。そして近くの交差点やバス停にも。

 マチのあちこちにある「札幌ドーム」の案内板。

 これらが8月から変わります。

 市はドームのネーミングライツについて大和ハウス工業と契約。

 「大和ハウス プレミストドーム」の愛称が大々的に掲げられることになります。

 「なじみがあるのは札幌ドームだけど、経済的に大変だというのは聞いているのでいいと思う」「少しでも赤字が解消するならばありがたいと思う」(札幌市民)

 起死回生の一手となると思われた命名権。

 しかし札幌市は22日、5年間の黒字化計画を断念すると発表。

 なぜなのでしょうか。

 札幌ドームは2001年に開業。

 北海道最大の全天候型ドームとして、コンサートや展示会などのイベントが開催されたほか北海道日本ハムファイターズの本拠地として道民に親しまれてきました。

 しかし、ファイターズの北広島市移転に伴い収益が悪化します。

 「札幌ドームの皆さん、声出して、1つになりましょう!」(音楽ライブ)

 中規模のコンサートなどが開催できるよう暗幕で仕切る「新モード」を導入。

 当初は2027年度までの5年間トータルで900万円の黒字を見込んでいました。

 ただ、想定通りイベントを開くことはできず。

 これまでも、大型ビジョンや人工芝の更新などで赤字になったことはありましたが赤字額は昨年度、過去最大の約6億5000万円に拡大していました。

 そうしたなか決まった札幌ドームの命名権。

 大和ハウス工業が取得し新たな名前は「大和ハウス プレミストドーム」となることになりました。

 契約期間は8月1日からの4年間で、契約金額は非公表ですが関係者によりますと希望に沿う年間2億5000万円だということです。

 7月22日の札幌市議会では市が命名権の契約について説明したうえで、2024年度からはイベントを増やして単年度で黒字化を目指すとしました。

 一方で、2023年度の6億5000万円という赤字があまりに大きいため2027年度までの
5年間トータルでの黒字化は困難としました。

 「不安や不信感を市民に与え、札幌ドームのイメージ悪化につながっていると考えている。札幌ドームと一体となって収支改善に取り組み、5年の収支見通しを早急に見直す」(札幌市の担当者)

 スタジアムの運営に詳しい専門家は…

 「今後ドーム経営そのものは課題は山積みなんじゃないか。ドームを中心とした街づくりに展開していきたいのか、非常に注目できる」(追手門学院大学 社会学部 上林 功 准教授)

 大和ハウス工業は今後、ドームと連携しイベントや周辺の開発も検討するということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。