北陸新幹線の大阪までの延伸。工事費が約2倍になる見通しです。

 7月22日、北陸新幹線の全線開業の早期実現に向けて大阪市内で開かれた会合には、大阪府の吉村洋文知事や関西の財界トップらが集まりました。

 今年3月、福井県の敦賀まで開通した北陸新幹線。敦賀から大阪までをつなぐ計画では、開業や着工時期はまだ決まっていません。

 (大阪府 吉村洋文知事 7月22日)「全線開業すれば関西地域含めて1650万人の交流人口が増加する。1日も早い全線開業が必要だと思っています」

 しかしここにきて様々な課題が噴出してきています。北陸新幹線の敦賀-大阪は、福井県の小浜市付近から京都の地下を通って新大阪駅につなぐルートが計画されています。国交省は2016年、このルートでかかる工事費を約2.1兆円と算出。しかし、関係者によりますと、物価高などの影響で工事費がほぼ倍にまで膨らむ見通しで、着工に必要な条件の1つ「費用対効果」が条件を満たさないおそれが出てきたのです。

 さらに、大阪府交野市は生活用水への影響を懸念しています。

 (交野市 山本景市長 7月17日)「7万7000人の交野市民の生活用水がなくなってしまう可能性もある」

 実際、岐阜県瑞浪市では、今年5月、リニア中央新幹線のトンネル工事が原因で井戸やため池など14か所で水位の低下が発生。交野市は上水道の約8割を地下水でまかなっていて、北陸新幹線の工事計画では交野市の地下にトンネルが通ることから、山本市長は地下水の環境調査や工法の変更を申し入れる考えです。

 鉄道・運輸機構は必要に応じて追加調査も検討するとしています。

 北陸と大阪を結ぶ大国家プロジェクト、今後、どうなるのでしょうか。

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