東京都庁=小川信撮影

 東京都は、顧客による理不尽な迷惑行為「カスタマーハラスメント」(カスハラ)の防止条例案について、パブリックコメントを踏まえ、9月開会予定の都議会第3回定例会に提出する方針を示した。小池百合子知事が19日の定例記者会見で明らかにした。制定されれば、カスハラ防止に特化した全国初の条例となる。

 条例案ではカスハラを「顧客等から就業者に対する、著しい迷惑行為であり、就業環境を害するもの」と規定し、カスハラ行為を禁じる。客のほか、役所の窓口利用者らも対象となる。また、カスハラを受けた従業員の安全確保などを事業者の責務と規定している。

 条例案は基本理念や責務を定める理念型で、罰則規定はない。具体的なカスハラ行為などを示すガイドラインを別途作成する。

 都は、カスハラが深刻化しているとして防止条例の制定に向けて、有識者の意見を聴くなどして検討を進めてきた。条例案へのパブリックコメントは8月19日まで実施する。

 会見で小池知事は「働く人をカスハラから守るということは仕事の担い手の確保、快適な消費生活の実現につながる」と述べた。【山下俊輔】

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