8日から一部地域で始まったのが「ライドシェア」です。自家用車がタクシーの役割を果たすというのですが、気になる料金、そして安全性はどう確保されているのでしょうか。
■「ライドシェア」開始初日に密着
まずは、手探りでのスタートとなりました。
河野太郎規制改革担当大臣
「まずはものは試し、多くの方に一度体験していただきたい。そして、そのなかで変えなければいけないところはどんどん変えていきたいと思っている」
アメリカなどの海外でよく利用されているライドシェア。一般の人が自家用車を使って有料で乗客を送迎するサービスです。
日本版のライドシェアは、国の許可を受けたタクシー会社が管理し、8日から東京の一部地域、時間帯で始まりました。
出発前、アルコールチェックに余念がない男性。日本初のライドシェアドライバーです。
ライドシェアドライバー(57)
「緊張しています。客とうまくコミュニケーション取れるかなとか」
こちらの男性、普段は都内で内装関係の会社を営んでいます。運転免許を取っておよそ40年のベテラン。「空いている時間に、金を稼げるのは魅力的」とライドシェアドライバーに応募しました。
ライドシェアドライバー
「きょうの目標…金額的には(売り上げ)1万円くらい稼げればいいな。1人2000円としたら5人くらいのイメージ」
客が配車アプリで車を呼ぶと、スマホに連絡が来ます。…と、その時、スマホの画面が変わりました。
ライドシェアドライバー
「きた!きた!」
初めての依頼です。
ライドシェアドライバー
「あっ!取れなかった…」
「(Q.そうなんですか、あの一瞬で)一瞬で…」
残念。他のドライバーが一早く依頼を受けてしまったのでしょうか。
■「ライドシェア」どんな仕組み?
「ライドシェア」は利用者がタクシーなどの配車アプリで管理する会社に配車依頼して、会社からドライバーに連絡がいくというものです。乗車前に、行き先によって運賃が決まり、支払いはキャッシュレスです。
例えば、タクシーの配車アプリ「GO」の場合、利用者が「タクシー・ライドシェア」のコースを選ぶと、タクシーかライドシェアのどちらかが配車されます。こうしてタクシー不足を補うというのです。もし、客がライドシェアが嫌なら、タクシー限定の配車も可能です。
こうしたライドシェアの背景にあるのが、タクシー不足。インバウンドが回復し、外国人観光客が増え続けている観光地や、過疎地で問題になっているのです。
■「ライドシェア」どうなる初仕事
タクシー不足解決を期待されるなか、8日から始まったライドシェア。ライドシェアドライバーの男性に“動き”がありました。
ライドシェアドライバー
「待ち合わせ番号226。男性30代。ここだ…乗車地」
「(Q.注文入りました?)入りました」
先ほど他のドライバーにとられたと思っていた配車依頼は、実は男性が受け付けていたのです。ライドシェアドライバーの初仕事。初めての客の元に向かいます。
■「ライドシェア」安全性どう確保?
8日から東京の一部地域と時間帯で始まったライドシェア。懸念されているのは、安全性の確保などです。
ライドシェアドライバーにはタクシーを運転するのに必要な二種免許を持たなくてもなれますが、タクシー会社が面接を行い事前に研修を受けます。男性も10時間の研修に臨みました。
実際に道路を走って普段の運転の癖や客を乗せる場合の注意事項も確認。座学では、アプリの操作方法や接客方法なども学びました。
■「ライドシェア」初日の結果は?
そして迎えた初日、営業を終えた男性には笑顔が見られました。
男性は午前11時までで、外国人を含む3組の乗客を運びました。アプリで配車した場合、ライドシェアの価格はタクシーと同じで、男性の売上げはおよそ8000円でした。
ライドシェアドライバー
「少しずつ慣れていって、徐々に売り上げも上げられれば良いかなと」
果たしてライドシェアがタクシー不足の解決になるのでしょうか。政府はタクシー会社以外の参入について、6月をめどに方針を決める予定です。
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