一般ドライバーが自家用車を使って有料で客を運ぶ『日本版ライドシェア』の運用が、都内の一部地域で始まり、出発式では実演が行われました。

車は、配車アプリで呼び、乗車前に行き先と料金を決定。料金はタクシーと同じですが、支払いはキャッシュレス限定です。

河野太郎規制改革担当大臣:「まずは物は試し、多くの方に一度体験をしていただきたい」

ただ、まだ、かなりの制約があるのが現状です。月曜から木曜は午前7時〜午前11時までと時間帯が決まっています。

30代:「平日、仕事で、終電逃すことも多いので、11時以降もたくさん走っていれば、ありがたいとは思う」
50代:「(Q.実際に使うか)ちょっと怖いの。便利だと思うんだけど、ちょっと怖い。接客も波がありそうで」

『Uber』など、海外で普及するライドシェア。登録すれば、個人でドライバーを始められるこうしたサービスとは、一線を画すものとなっています。まず、何より運行を管理するのがタクシー会社であること。ドライバーは、事前に座学や実地の研修を受けなければなりません。乗車前には、アルコール検査を行い、その結果をスマホでタクシー会社に報告。オンラインで点呼を行う必要があります。

安全を重視し、諸外国と比べると規制の多い日本版ライドシェア。政府は、6月をめどにタクシー会社以外の参入について方針をまとめる予定です。

ただ、タクシー業界を束ねる川鍋一朗氏は、こう話します。
東京ハイヤー・タクシー協会 川鍋一朗会長:「タクシーが足りないというところからスタートしていまして、実際は、いま、アベレージ(平均)で9割、100回呼ばれて90回以上は行けている。あとは、足りないというのは、特定の時間帯で足りないのは事実で、そこを埋める。そうすると、タクシーが足りていないという議論は収まってくるはず」


実は、日本における『ライドシェア』は、2種類あります。
一つは、都市型のタクシー不足を解消するためのもの(自家用車活用事業)。もう一つは、地方の移動手段不足を解消するためのもの(自家用有償旅客運送制度)です。

8日から始まったのは、都市型のタクシー不足を補うためのもので、事業者は、既存のタクシー会社で、一般のドライバーを管理して行います。

■都内で、どれだけタクシーが不足しているのか。

国土交通省によりますと、平日の午前7〜午前11時で1780台、足りていないといいます。特に多いのが、金曜から土曜にかけてのいわゆる“花金”で、金曜夕方から帰宅時間にかけての午後4〜午後8時で1100台。終電がなくなり、始発までの時間、土曜午前0時〜午前5時で2540台、足りていないといいます。

今回は、こうしたタクシー不足が発生する時間帯に合わせて限定的に導入される形になっています。東京以外にも、今月中に、神奈川県、愛知県などの一部で実施される予定です。

■どのように使うのか。

配車アプリを使って車を呼び、支払いはキャッシュレス。運賃は、タクシーと同じ水準です。

■都市部以外での移動手段の不足はどうしていくのか。

政府の規制改革推進会議メンバーで、慶應義塾大学の中室牧子教授は「(都市部はもちろんのこと)全国で“移動困難者”の問題は深刻。観光客の移動だけでなく、地元の人が病院に行けないなど、喫緊の課題になっている。タクシー業者以外でもライドシェア事業に新規参入するためには“新たな法律が必要”。一方で、地元のタクシー会社が、深夜帯だけ料金を一段値上げできるようにするなど、自由度を高めて、共存できる仕組みを作る」といいます。

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