おととしの豪雨で被災し、運休が続いている米坂線について、JR東日本は5月29日に開かれた検討会議で「JR単体での運営は難しい」という見解を初めて示しました。

おととし、県北部を襲った記録的豪雨で被災し、一部の区間で運休が続いている米坂線。

JRはこれまで、復旧費用の負担割合と将来的な安定運行の方策を両輪で検討する考えを示していました。

こうした中、29日、JR東日本は沿線自治体との3回目の復旧検討会議を山形県小国町で開催。

この中で、JR東日本は復旧後の利用状況の試算から、沿線自治体が示した利用促進策を施したとしても一日の利用者数は200人代に留まるとするデータを提示しました。

【JR東日本新潟支社 三島大輔 企画総務部長】
「通勤や買い物の際の交通手段を自家用車から鉄道に変更いただくなど、沿線の皆様のライフスタイルの大幅な変更などにより鉄道の利用促進をしたとしても、鉄道輸送の大量性が発揮できるとは考えにくい結果となった」

その上で…

【JR東日本新潟支社 三島大輔 企画総務部長】
「被災前と同じように当社が運営することを前提とした復旧は、民間企業としては持続可能性の観点から難しいと考えている」

この日の会議で初めて示されたのが「復旧後の米坂線をJR単体で運営することは難しい」という見解。同時に、自社での単体運営を含めた4つの運営パターンを提示しました。

そこには、JRが運営し、沿線自治体が施設を保有する上下分離方式、第3セクターなど地域事業者による運営に加え、バスへの転換も示されています。

【JR東日本新潟支社 三島大輔 企画総務部長】
「(バス転換の)選択肢を取った場合には、鉄道を存続させることはないということ」

これに対し、新潟県は。

【県交通政策局 太田勇二 局長】
「単なる大量輸送という特性だけではなくて、例えば災害時の機能であったり、地方創生の観点であったり、様々な側面を持っているものであるので、一面だけ捉えると難しいと、私はそういうふうに受け止めている」

さらに、山形県とともに「JRが単独で運営することが望ましい」という認識を示しました。

JR東日本は今後、4つの提案をもとに沿線自治体との議論を深めたい考えです。

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